アメリカが日本に対し、使用済み核燃料の再利用を認める「日米原子力協定」は、16日に発効から30年の期限を迎えます。

協定は日米双方から異論が示されなかったため、17日に自動的に延長されますが、今後はどちらかが一方的に通告すれば、協定は半年後に
効力を失うことになります。協定をめぐっては、日本が「核燃料サイクル」の中核に位置づけてきた高速増殖炉「もんじゅ」の廃炉が決まるなど、
プルトニウムの再利用が十分に進んでいないうえ、アメリカでは、日本が保有するプルトニウムの量に懸念も出ています。

このため、日本政府はプルトニウムの削減や適切な管理を進め、協定の存続に理解を得たい考えで、
具体的な利用計画や核燃料サイクルの実現性など、引き続き原子力政策の透明性を求められることになりそうです。

進まないプルトニウム利用
日本は核兵器の原料にもなる47トンのプルトニウムを保有していて、国際社会の懸念が高まる中、
プルトニウムを着実に減らすことができるかが課題になっています。日本の原子力政策は初期の段階から、
原発で使い終わった使用済み核燃料を再処理して取り出したプルトニウムを「高速増殖炉」で使う核燃料サイクルを柱としてきました。

しかし、高速増殖炉は、福井県にある「もんじゅ」がナトリウム漏れ事故や保守管理などの問題を起こし、
政府はおととし、廃炉にすることを決めました。高速炉の計画は継続するとしていますが先行きは不透明になっています。

プルトニウム利用の基本方針改定へ
原子力利用の方向性を示す国の原子力委員会は、ことし1月、「プルトニウム利用の基本方針」を15年ぶりに改訂する議論を始めました。
日本は原子力の開発や利用は平和目的に限り、原子力委員会は、核兵器の原料にもなるプルトニウムについて
「利用目的のないものは持たない」という原則を示しています。

原子力委員会は、今後、新たなプルトニウム利用の基本方針で、こうした原則を堅持するとともに、
日本が国内外に保有する47トンのプルトニウムを長期的に着実に減らす方針を示す見通しです。

原子力委員会は、新たな基本方針に日本が保有するプルトニウムの量が、現在の水準より増えないように管理し、
長期的には減らすことを盛り込む方向で調整しています。そのために、使用済み核燃料を再処理して取り出すプルトニウムの量は、
再び原発で使える量にとどめることや、電力会社どうしでプルトニウムを使うための協力を促すことを検討しています。

 (※詳細・全文は引用元へ→ NHKニュース 18年7月16日)
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20180716/k10011535271000.html