愛知県の伊川津貝塚から発掘された約2500年前の縄文人は、東南アジアの狩猟採集民族にルーツを持つ可能性があることがわかったと、金沢大などの国際研究チームが発表した。縄文人の人骨から全遺伝情報(ゲノム)を初めて解析し、明らかになったという。

 論文が6日付の米科学誌「サイエンス」に掲載された。研究チームは縄文人の遺骨のほか、ラオスやマレーシアなどの遺跡で発掘された約8000年〜2000年前の人骨計25人分のゲノムを解析。縄文人と比べると、ラオスの遺跡(約8000年前)から発掘された狩猟採集民族やマレーシアの遺跡(約4000年前)から見つかった人骨のゲノムとよく似ていたという。

 金沢大の覚張隆史特任助教は「北方から日本列島にやってきた祖先とは別に、南方から来た祖先のルーツも今後明らかになる可能性がある」と話している。

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読売新聞 2018年07月22日 09時37分
https://www.yomiuri.co.jp/science/20180721-OYT1T50118.html