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西日本豪雨や猛暑といった異常気象の影響で一部の野菜が品薄となり、価格が上昇している。野菜が傷んだり、生育が止まったりしているほか、炎天下で収穫がはかどっていないからだ。北海道では曇天が続き、野菜の成長を妨げている。ニンジンやキュウリは、大阪市での卸値が昨年の同じ時期より6割前後高くなっている。【岡奈津希、釣田祐喜】 

「なにわの台所」として知られる黒門市場(大阪市中央区)の生鮮スーパー「黒門中川」では24日、青果担当の大空政志さん(66)が「全国的な不作で全ての野菜が高くなっている。こんな年は初めて」と驚いていた。

同店では、キャベツやキュウリを採算度外視のほぼ原価で販売。これらは仕入れ値が2〜3割高くなっているため、売価を引き上げざるを得なかった商品も出ている。1週間前に600円だった100枚入り大葉は、現在1180円。この時期に例年1パック130円前後のミニトマトは、倍以上の280円で販売している。

一方、数種類のカット野菜を詰めたパックは割安なため2倍の売れ行き。買い物をしていた近くの主婦、中川雅子さん(67)は「スーパーのチラシを見比べて少しでも安い店で買うようにしている」と話していた。大空さんは「今後、台風が来れば被害はさらに広がる。影響は長引きそう」と心配していた。

大阪市中央卸売市場でも、取り扱う野菜の単価が上昇している。卸売業者の大阪中央青果によると、昨年の同じ時期と比べた卸値の上昇率は、オクラ63%▽ニンジン60%▽キュウリ59%▽ダイコン56%▽ホウレンソウ10%−−など。バレイショのように昨年より安い品もあるが、7月に入ってから野菜の平均単価は15%上昇している。大阪中央青果の担当者は「豪雨と異常な高温のダブルパンチ。盆明けぐらいまで高値が続きそう」と懸念を示していた。

毎日新聞2018年7月25日 08時57分(最終更新 7月25日 10時35分)
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