滋賀県と彦根市は8月2日から、同市松原町の琵琶湖岸で水上バイクの閉め出しを始める。けん引する車が入れないよう、入り口を9月末まで封鎖する。無料で水上バイクを湖に降ろせるとして県外から多くの人が集まるが、早朝の騒音や路上駐車のマナー違反が横行し、近隣住民から解決を求める声が出ていた。
 
琵琶湖岸は管理者がいる場所以外、自由利用が基本で異例の措置となる。県は「生活者の不安解消を優先した」としている。
 
利用制限するのは、通称「松原スロープ」の約3200平方メートルの市有地。24時間自由に入れて、夏場の週末は多い日で50台の水上バイクが集まる。マリーナと違って無料のため、穴場スポットになっている。
 
だが、水上バイク利用者のマナーは悪い。一帯の湖岸は静かに徐行する必要があるが、早朝からエンジンの爆音を響かせる人が後を絶たない。湖岸でバーベキューをしてごみを散乱させたり、火の後始末をせず、ぼやになったことも。狭い道に路上駐車が相次ぎ、住民は車を走らせるのに不便だという。
 
県と市は地元自治会から2016年に要望を受け、対策を検討。マナー改善をレジャー客に求める活動を続けたが、効果が薄かったことから、試験的な利用制限に踏み切った。徒歩での立ち入りや、琵琶湖から水上バイクで立ち寄ることは可能という。
 
近くの会社員男性(36)によると、家の敷地に勝手に入って屋外の水道を使う悪質な事例もあった。男性は「怖くて子どもが家の前で遊べず、安心して暮らせない。ずっとスロープを封鎖してほしい」と訴える。
 
県は「別の場所でマナー違反が行われないよう、水上バイクの利用者がどこに移るか注視したい」としている。

:7/27(金) 19:01
京都新聞
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