https://www.cnn.co.jp/world/35123228.html

トルコ大統領、米国人牧師の解放合意を否定 米・イスラエルと取引せず
2018.07.30 Mon posted at 13:02 JST

イスタンブール(CNN) トルコのエルドアン大統領は29日、トルコ政府が国内で自宅軟禁下にある米国人牧師の解放に合意したとの見方を否定した。米国並びにイスラエルとの取引を通じて解放に合意する可能性が取り沙汰されていたが、トランプ米大統領の脅しには屈しないとの見解を明らかにした。

長期にわたりトルコ国内で自由を制限されているノースカロライナ州出身のアンドルー・ブランソン牧師をめぐっては、米当局者がこのほどCNNに対し、イスラエルで拘束されていたトルコ国籍のエブル・オズカンさんの釈放と交換で解放するとの合意をトランプ、エルドアン両大統領が交わしたと述べていた。

イスラエルは先ごろオズカンさんを釈放し、出国を認める手続きを行った。

これに対してエルドアン大統領は、いかなる取引も行われていないと強調。国営メディアに対し、オズカンさんの釈放に米国の助けがあったことは認めたものの、トルコとして「引き換えにブランソン牧師を解放する」と明言したことはなく、交渉の際にも同牧師への言及はなかったと述べた。

トルコ政府は2016年、クーデター未遂への対応としてジャーナリストや学者、キリスト教徒らへの取り締まりを強化。ブランソン牧師は同年に逮捕され、今月25日になって自宅軟禁へと移された。

トランプ大統領は26日、ツイッターへの投稿で、ブランソン牧師を解放しなければトルコに対して「大がかりな制裁を科すことになるだろう」と威嚇していた。

これを受けエルドアン大統領は、こうした強硬な姿勢を改めなければ米国は「強力かつ誠実なパートナー」を失うリスクを負うと警告。「制裁でトルコが譲歩すると思ったら大間違いだ」「態度を改めるかどうかはトランプ氏の問題で、私の問題ではない」と語った。

トルコのエルドアン大統領(左)がトランプ米大統領の求める米国人牧師の解放を否定/Adem Altan/Andrew Harre/Getty Images
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