甲府市は2日、市在住の高校生が“市職員”となり街を元気にする提案を行うイベント
「こちら甲府市役所若者支所(こち若)」を初開催した。漫画「こちら葛飾区亀有公園前派出所」にちなむ名称で、
高校生が市長に提案し模擬議会で採決。

市内を飛ぶ鳥に元気がないことを不安視する声や、アイドルを活用した振興策などが寄せられた。(昌林龍一)

 “若者支所職員”に応募した男女8人の高校生が、市役所1階に集合。市の現状を項目別に書きとめていった。
駅前の現状については「若者向けの店が駅周辺に少ない」「駅から離れると極端に人通りが少なくなる」など過疎化を危惧する意見が出た。

 暑さの項目では、甲府盆地の自然環境に着目。「鳥が暑くて空を飛んでいない。元気じゃない」との不満や、
「水晶で作った(甲府のシンボルの)信玄公を氷の中に入れ、溶けて出現するイベントを行う」など高校生ならではの視点も披露した。

 その後、樋口雄一市長ら市幹部を前に具体的な提案内容を説明。
「アイドルの発信力は高い。市内でアイドルのプロモーションビデオを撮影してもらう事業を推進する」
(小池かのさん)

「市の公式インスタグラムは言葉が堅いので、市のゆるキャラが話し言葉でPRする形にした方がよい」
(安藤日菜さん、大野萌実さん)と熱心に訴えた。

 その後開催された模擬議会では、高校生らが本会議場の執行部側の席に座り提案内容を説明。
市議役の市幹部9人は、高校生が提案した“議案”を賛成多数で可決した。
樋口市長は議場で「これからも甲府市政への関心を持ち続けていただきたい」と述べた。

 樋口市長は産経新聞の取材に対し「市の公式インスタグラムで、話し言葉を使うことは実現可能なので取り入れたい」と述べ、
施策に反映する構えだ。

 樋口市長は、平成39年開業予定のリニア中央新幹線が甲府市を通る時期に社会の中核となる
“リニア世代”の高校生の意見を参考にしようとイベントを開催した。

http://www.iza.ne.jp/kiji/politics/news/180802/plt18080218330023-n1.html