壇上に居並ぶ経営陣は全員、顔面蒼白となり、1242人の株主が参加した会場は凍りついたように静まり返った。
6月27日、強風が吹き抜ける東京・台場で開催された総会は、フジサンケイグループ全体の窮状を浮き彫りにするかのように文字通りの「大荒れ」となった。

■株主への内部告発

筆者を含む株主に寄せられた内部告発によると、2017年の夏休み期間中、1カ月半にわたって来場者が実際の3倍以上に水増しされているという。

有料入場者収入はたった12億円。料金で頭割りにすると100万人も来ていない。これに無料優待入場者20万人弱を加えても、合計112万人にすぎない
のが事実だと暴露。

また、
15年の開催初年度から毎年、スポンサーに400万人超来場といって騙し、400万人分の広告出稿料(広告料金)を貰っている。
そんな不正をしても、なお6億円の赤字だ。水増しの方法は、来場者を計測する地点を4カ所つくり、
それを合算する超古典的改竄方法。要は同じ人間を何度も数えるやり方での改竄だ。

ガラガラの会場を見れば誰にも、それがウソだと分かる。スポンサーの広告出稿料契約は400万人だから、完全に不正水増しだと糾弾している。

さらに、
このイベントには、電通にいる日枝久代表(80歳)の息子が以前、絡んでいた。フジ社内では『今の時代、さすがにヤバイよ』との空気もあったが、
日枝代表本人への忖度に加えて、将来、フジの社長・会長・代表になる日枝の息子が絡むから誰も手を出せないでいる。
この改竄は、お台場での夏休みイベントに関して、長期間行なわれていた。神戸製鋼所、スバル、三菱マテリアルのデータ改竄と互角の不正だ
としている。

■会社側まともに答えず

筆者は、告発内容を紹介した上で

「イベントは東京都港湾局という公的な機関が共催となっており、オフィシャルパートナーにスバル、コカ・コーラ、
特別協賛に旭化成、キリンビールなど大企業も加わっている。告発内容が事実かどうか、嘉納修治会長(68歳、総会議長)自身か、
宮内正喜社長(74歳)か、日枝代表に答えてもらいたい」と回答を求めた。

これが事実とすれば、スポンサー企業を騙して、虚偽の入場者数に基づいて高く設定した広告料金を支払わせるという
詐欺商法≠ェまかり通っていたことになる。広告料金の基準となるテレビ視聴率や新聞販売部数を偽装するに等しく、
メディア企業には絶対許されない背信行為だ。

しかし、嘉納議長は「機関として答える」として、金光修専務(63歳)を指名。同専務は「入場者数は、有料、招待、無料エリアの入場者を含めたものだ。
その合計が400万人で、水増しにはあたらない」と述べて、その詳細な内訳などの実態を明らかにしなかった。

会場からは「ちゃんと答えろ!」との声が飛んだが、専務は水をゴクリと飲むばかりで、再答弁には応じなかった。

その金光専務に関する衝撃的な内部告発も筆者を含む株主に寄せられていた。

http://blogos.com/article/316940/?p=2
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