北海道東部にある日本最大の湿原、釧路湿原に違法な木道が設置されていることが分かり、環境省釧路自然環境事務所は14日、容疑者不詳のまま自然公園法違反容疑で道警釧路署に告発した。現場は、釧路湿原国立公園の特別保護地区や特別地域で、環境相の許可なく工作物を設置することはできない。

 発表によると、鶴居村の雪裡せつり川とその周辺に数か所、鉄製パイプで組んだ木道が設置されていた。今年5月中旬、ドローンで釧路湿原を撮影して気づいた民間人が通報し、釧路自然環境事務所が調べていた。同事務所によると、釧路湿原での違法な木道設置はこれまでにないという。

 安田直人所長は「あまりにもしっかり作られている。悪質なので、告発に踏み切った」と話している。地元の自然愛好家によると、サケを密漁するためとの見方も出ているという。

2018年08月15日 07時44分
YOMIURI ONLINE
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釧路湿原に無許可木道 環境省、容疑者不詳のまま告発

【鶴居】国の特別天然記念物タンチョウが営巣する釧路管内鶴居村の釧路湿原国立公園の特別保護地区などに国の許可を得ずに木道などの違法工作物が設置されていたことが14日、環境省釧路自然環境事務所の調査で分かった。同事務所は同日、自然公園法違反(違法工作物の新築)の疑いで、容疑者不詳のまま釧路署に刑事告発した。

同事務所は「釧路湿原内にこれほど大規模な違法工作物が設置された例はない」と話す。

同事務所によると、木橋や木道は幅約20センチ、長さ1〜2メートルの板を地中に埋め込んだ鉄パイプに固定している。少なくとも8カ所で見つかり、長さは合計で約100メートル近い。長いものは数十メートルに達し、湿原内を流れる雪裡川を渡るために設置したとみられている。

08/15 09:25 北海道新聞
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