独フォルクスワーゲン(VW)は23日、2020年にVW乗用車ブランドのすべての新車をネットに接続可能な「つながるクルマ」にすると発表した。ネット接続を浸透させ、カーシェアリングや車両に宅配便を届けるサービスを充実させる。25年までにソフトウエアやサービスの開発などにVW乗用車ブランドで35億ユーロ(約4500億円)を投資する。

 つながるクルマを基盤としたデジタルサービスはすでに高級車を中心に広がっている。VWはつながるクルマを標準とすることで20年以降、年間500万台規模のVWブランドの車両が「フォルクスワーゲンWe」と呼ぶネット接続サービスに加わるとみている。25年に関連サービスで売上高10億ユーロを目指す。

 空いている駐車場を探したり、車両内で支払いを終えたりするサービスや、車の荷物スペースに宅配便を配送するサービスを本格的に始める。サービスはネットを通じて随時更新する。

 19年夏をめどにベルリンで電気自動車(EV)によるカーシェアリングサービスを始め、20年以降、欧州や北米に広げる。顧客が保有する車両に対するサービスだけでなく、移動全般のサービスをひとつのアプリなどで提供する。

 投資資金はサービスの拡充のほか、有望な企業の買収にも投じる。IT(情報技術)や小売り、食品などほかの業種の企業とのサービス連携を進め、米国などのIT企業との競争激化が予想される自動車データのプラットフォームをおさえる考えだ。VW乗用車ブランドの販売トップ、ユルゲン・シュタックマン氏は声明で「VW車はどんどん車両のついたデジタル機器になっていく」と強調した。

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日本経済新聞
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