焼け落ちた建材が黒く炭化して残っていた古墳時代前期の竪穴住居
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 福島県浪江町の北中谷地遺跡で、古墳時代前期の竪穴住居60軒以上が見つかった。町教委によると、県内でも有数の規模という。焼失跡の住居が10軒以上あり、木材や屋根の葺(ふ)き材が炭化して残っていた。今後、材種や構造を調べる。

 8日、現地であった説明会には町民を含め約200人が訪れた。

 北中谷内遺跡は、町東北部の段丘上に立地。東日本大震災復興関連事業の「北産業団地」造成に先立って調査が行われた。

 竪穴住居は、一辺が5メートル前後が中心で、小さいもので3メートル、大きいもので10メートルほどだった。煮炊き用の炉が設けられていた。

 焼失割合が高い点について町教委は、失火によるものなのか、争いによって焼き打ちに遭ったり遺棄する場合に人為的に火を付けたりしたのか検討する。

 このほか飛鳥時代の製鉄炉や平安時代の鍛冶炉なども見つかった。

 町は昨春、帰還困難区域を除いて東京電力福島第1原発事故に伴う避難指示が解除された。町教委の池田研主査は「こうした説明会があれば町民の旧交を温める場にもなる。浪江町の歴史に触れるいい機会になればありがたい」と話した。

河北新報 2018年09月11日火曜日
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