【ジュネーブ=杉野謙太郎】国連食糧農業機関(FAO)などは11日、2017年に世界で8億2000万人(人口比10・9%)が栄養不足に陥っているか、飢えているとの推計を発表した。世界の人口の9人に1人に上る。15年から増加を続けており、近年の異常気象が影響していると分析している。

 地域別では、アジアで5億1500万人(同11・4%)、アフリカで2億5600万人(同20・4%)だった。

 世界の栄養不足は05年の9億4500万人(同14・5%)から毎年減少していたが、14年に7億8300万人(同10・7%)を記録して以降、増加に転じている。

 FAOなどは、低中所得の国で異常気象による大雨や洪水、干ばつなどが増えたことで麦やコメ、トウモロコシなどの生産に深刻な影響を与え、食料不足につながっていると指摘した。飢えの解消には、気候変動への対策が必要だと訴えた。

 一方、世界で肥満の成人は16年に全体の13・2%の6億7200万人だった。

2018年09月12日 10時25分
YOMIURI ONLINE
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