EU
夏時間、来年廃止へ 欧州委・法案提示

 【ブリュッセル八田浩輔】欧州連合(EU)のユンケル欧州委員長は12日、EUで共通して採用している現行の夏時間制度を来年に廃止することを定めた法案を欧州議会と加盟国に提示した。
 域内の市民から廃止を望む声が大きかったことを受けた措置。
 今後、通年で採用する標準時間の設定は加盟国に委ねる。

 欧州委は、現行制度を継続する主な理由の一つになっていた省エネルギー効果は「限定的であることが示唆された」と説明。
 廃止の利点について、1年に2度時間を切り替えることによる混乱の回避や、市民から寄せられた健康への悪影響、交通事故の増加などを懸念する声に応じたとした。

 EUは3月の最終日曜日から時計の針を1時間進め、10月の最終日曜日に元に戻す制度を、一律で加盟国に義務づけている。
 しかし近年、時間の切り替えが健康に与える悪影響などへの懸念が広がり、今年初めに加盟国フィンランドがEUに廃止を提案。
 加盟国の市民らを対象に今夏実施したパブリックコメントでは、84%が廃止を望んだ。

毎日新聞2018年9月12日 20時02分(最終更新 9月12日 20時13分)
https://mainichi.jp/articles/20180913/k00/00m/030/073000c