県は、平成29年に県内を訪れた観光客が前年比5・5%増の2億69万人となったと発表した。2億人を突破したのは初めて。箱根の火山活動の沈静化や、「全国都市緑化よこはまフェア」などの大規模イベントが牽引(けんいん)した。

 観光客全体のうち、9割超の1億8404万人(同5・6%増)が日帰り客で、宿泊客は1665万人(同3・8%増)だった。

 地域別では横浜・川崎地域が7141万人で同16・1%増だった。大型客船の来航で、横浜港大さん橋国際客船ターミナルの利用者が大幅に増えたほか、横浜・桜木町で開催された「ピカチュウ大量発生チュウ」が同121万人増えたことも奏功した。日帰り客は同17・8%増の6421万人で、宿泊客は同2・7%増の720万人だった。

 湘南地域は同4・6%減の5102万人だった。4月に一般公開された大磯町の「旧吉田茂邸」が人気を集めたが、夏場の天候不順や10月の台風が影響し、「湘南海岸・江の島」で同110万人減ったことが影響した。

 三浦半島地域では、同1・5%増の1619万人だった。京浜急行電鉄が販売している「葉山女子旅きっぷ」の売り上げが好調で、県立近代美術館葉山館の入場者数が増えたが、夏場の天候不順で海水浴客が減少したことから、大幅な伸びにはつながらなかった。

 箱根・湯河原地域は3343万人で同7・2%増加した。日帰り客は同6・6%増の2768万人、宿泊客は同10・2%増の575万人で、ともに27年にあった噴火前の水準を上回った。

 県の観光振興計画では、30年までに観光客数2億人を目標にしていたが、1年前倒しで達成した。黒岩祐治知事は「神奈川の魅力を積極的に発信していく」と話している。

2018.9.14 07:09
産経ニュース
https://www.sankei.com/region/news/180914/rgn1809140014-n1.html