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米中間選挙まで50日余 民主党左派の台頭目立つ
2018年9月15日 19時24分トランプ大統領

アメリカのトランプ大統領に対する審判の場となる秋の中間選挙に向け各党の候補者を選ぶ一連の予備選挙が終わり、候補者が出そろいました。議会の上下両院で多数派の奪還を目指す野党・民主党では都市部を中心に「プログレッシブ=進歩派」と呼ばれる左派の台頭が目立っていて、選挙戦にどのような影響を与えるか焦点の一つとなっています。

アメリカで11月6日に行われる中間選挙では、連邦議会上院の100議席のうち35議席と、下院の435議席すべてが改選されます。

投票日まで50日余りとなり、各党の候補者を選ぶ一連の予備選挙が制度が異なる南部ルイジアナ州を除いて終わり、候補者が出そろいました。

今回の選挙はトランプ大統領に対する審判の場となりますが、政権の内幕を描いた「暴露本」の出版が相次いでいるほか、いわゆる「ロシア疑惑」をめぐり、元選対幹部が検察側との司法取引に応じて疑惑解明が進む可能性が出るなどトランプ大統領にとって打撃が続いています。

アメリカの政治情報サイト「リアル・クリア・ポリティクス」によりますと、トランプ大統領の支持率は各種の世論調査の平均値で40.9%で、9月に入ってから下落傾向です。

こうした中、多数派の奪還を目指す野党・民主党では格差の解消や社会の平等などを訴える「プログレッシブ=進歩派」と呼ばれる左派系の候補の台頭が目立っています。

下院のニューヨークの予備選挙では28歳のヒスパニックの女性新人候補が民主党の重鎮を破る波乱が起きるなど都市部の若者たちを中心にプログレッシブへの支持が広がっています。

ただ、保守的な地方でより左派的な主張がどこまで受け入れられかは不透明で、プログレッシブの台頭が民主党の躍進につながるのか中間選挙の焦点の一つとなっています。

プログレッシブ トランプ政権との対決姿勢が鮮明

アメリカの民主党の「プログレッシブ=進歩派」は、よりリベラルな主張を掲げる党内の左派系の勢力で、近年、急速に支持を拡大しています。

国民皆保険の実現や教育の無償化など、格差の解消や公正な社会の実現が訴えの柱で、右傾化を強めるトランプ政権との対決姿勢が鮮明なのも特徴です。

プログレッシブが大きな注目を集めたのは2年前の大統領選挙です。このとき、民主党としての大統領候補を選ぶ予備選挙で、最有力と言われたヒラリー・クリントン元国務長官と最後まで指名を争ったのが、左派の「民主社会主義者」を自称するバーニー・サンダース上院議員でした。格差の解消などリベラルな主張を掲げ、現状に不満を持つ若者たちを中心に予想を超える支持を集めました。

ことし秋の中間選挙に立候補するプログレッシブの候補者の多くが、大統領選挙のときにサンダース氏を支持した人たちです。その代表格とも言える新人の女性候補、アレクサンドリア・オカシオコルテス氏は28歳。2年前はサンダース氏の選挙運動に携わっていました。オカシオコルテス氏は、アメリカ社会では少数派のヒスパニックで政治経験はありませんが、6月に行われた議会下院のニューヨークの予備選挙で民主党の重鎮を破る番狂わせを演じ一躍、注目を集めました。

アメリカのシンクタンク ブルッキングス研究所によると、2018年の中間選挙に立候補した民主党の新人候補に占めるプログレッシブの割合は、全体の41%と4年前の17%を大きく上回っています。

ただ今月から選挙運動に乗り出したオバマ前大統領が、プログレッシブの立場に理解を示す一方で、政治的な歩み寄りも必要だと訴えるなど、党内では、リベラルな主張を掲げトランプ政権との対決姿勢を鮮明にするだけでは、支持の広がりに限界があるという見方も根強くあります。
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