http://www.sankei.com/west/news/180918/wst1809180035-n1.html

 暴力団幹部の収監を免れさせるために検察に病状を偽った回答書を出したとして、虚偽診断書作成・同行使罪に問われた医師、全栄和(チョン・ヨンファ)被告(63)=京都市左京区=の初公判が18日、京都地裁(斎藤正人裁判長)で開かれた。全被告は罪状認否で「経験に基づいて(回答書に)記載した。虚偽ではない」とする書面を読み上げて起訴内容を否認、弁護側も無罪を主張した。

 起訴状によると、全被告は「康生会武田病院」(同市)で指定暴力団山口組系淡海(おうみ)一家総長、高山義友希(よしゆき)受刑者(61)の担当医をしていた平成28年1〜2月、高山受刑者の病状について大阪高検が照会してきたのに対し、「心室性不整脈はかなり重篤」などとする虚偽の回答書を提出したとしている。

 検察側は冒頭陳述で「(回答書は)以前の検査結果などを流用して書かれたものだ」と指摘した。

 事件では、京都府立医大病院の前院長(65)ら2人も虚偽有印公文書作成・同行使容疑で書類送検されたが、京都地検は昨年12月、嫌疑不十分で不起訴処分にした。