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原発事故 刑事裁判 遺族「誰も責任を取っていない」
2018年9月19日 17時29分福島第一

福島第一原発の事故をめぐり、東京電力の旧経営陣3人が業務上過失致死傷の罪で強制的に起訴された裁判で、原発事故で病院から避難を余儀なくされ、亡くなった入院患者の遺族などの供述調書が法廷で読み上げられました。このうち、両親を亡くした女性は「こんなに大きな事故の責任を誰も取っていない」として、厳しい処罰を求めています。

東京電力の元会長の勝俣恒久被告(78)など旧経営陣3人は、原発事故によって福島県大熊町の病院の入院患者などに避難を余儀なくさせ、44人を死亡させたなどとして、業務上過失致死傷の罪で強制的に起訴され、いずれも無罪を主張しています。

東京地方裁判所で19日に開かれた審理では、検察官役の指定弁護士が、死亡した病院の入院患者や、高齢者施設の入所者の遺族の供述調書を、時折、涙をこらえながら読み上げました。

高齢者施設に入所していた父と母が避難する途中に亡くなった女性は「認知症の父を母が温かく見守る夫婦でした。原発事故さえなければ2人とももっと長く生きられました。こんなに大きな事故を起こしたのに誰も責任を取っていない」として、厳しい処罰を求めています。

次回の審理は来月2日に開かれる予定です。