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<デンマークの動物園で起きた珍事件。両親のペンギンが水浴びでいなくなり、取り残されたひなを同性カップルが連れ去った>

デンマーク・オーデンセの動物園で、ペンギンの同性カップルが、両親に放置されたひな鳥を誘拐する事件が起きた。その後、両親がひなを取り戻すまでの顛末は、ビデオ動画で撮影されてフェイスブックに投稿された。

■親ペンギンが同性カップルからひなを奪い返す動画を見る
https://www.youtube.com/watch?v=T5_Kc_PhmLk

オーデンセ動物園の飼育員サンディー・ムンクによると、両親はごく短い時間、日課の水浴びためにひなを置き去りにしたが、この隙を同性カップルが狙った。

このカップルはどうやら長い間、子供が欲しいと望んでいたらしい。そのため、ひなが両親から「ネグレクト(育児放棄)」されたと思い、我慢ができなかったのだろう。

「何かの間違いが起きたことはわかった。両親がいなくなって、そのひなが連れ去られた。ひなを保護しているペンギンはオス同士のカップルだった」と、事件を目撃したムンクは、デンマークの公共放送DRの取材に語った。

ペンギンのひなには常に両親がついていてやらなければならないため、同性カップルに全面的に非があるわけではないと、ムンクは話している。

「母親が水浴びに行き、父親がひなの面倒を見る番だった。それなのに父親が離れてしまったので、同性カップルは、ひなが『かわいそう』と思って連れて行ったのかもしれない」

さらに驚きだったのは、ひながいなくなったことを知った時に、両親がまったく動揺を見せなかったことだ。

「父親はまるで最初からひながいなかったようにふるまい、母親も少し探しただけだった」と、ムンクは言う。

しかし、最終的に両親は、ひなのところへやって来た。動画の中で両親は、2人の間にひなを入れて守っている同性カップルに挑みかかかる。カップルは怒って両親を叩く。手に入れたひなを放したくなかったのだろう。

結局ムンクがペンギンたちの間に入り、ひなはようやく両親のもとに戻った。

しかしこの話は、同性カップルにとっても悲しい結末では終わらない。2羽はその後、ムンクのはからいで、病気になった別のメスのペンギンが抱けなくなった卵を与えられている。

もし両親がなかったら、動物園では同性カップルにそのままひなを育てさせていたかもしれない、とムンクは言う。

ちなみにペンギンのゲイ・カップルは全体の数%いて、特別なことではないという。ただし、卵が産めないのになぜ同性同士でツガイになるのかはわかっていない。

(International Business Times)

9/28(金) 20:04
ニューズウィーク日本版
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