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胆振東部地震の影響で自粛ムードが高まり、経済活動が停滞してしまうのを防ごうと、苫小牧市内でも、黒と赤で書かれた「NOMORE自粛(ノーモア・ジシュク)」のロゴマークを活用した運動が広がりつつある。客足回復を願って、店舗が自主的にロゴ入りポスターを店頭に掲示したり、被災地の特産品を売り出すなどし、地震からの復興を後押ししている。

 「NOMORE自粛」は東日本大震災の時、仙台市のNPO法人ファイブブリッジが始めた運動。ロゴは同市のデザイン会社リード・サインが制作した。運動は当時、東北を中心に広がり、自粛ムード払拭(ふっしょく)に一役買った。

 胆振東部地震後、同社の同意を得て、有志が「東北復興」の文字を「北海道復興」にアレンジしたロゴがインターネット上で、無料コピーされるようになり、道内の飲食店などで広く活用され始めている。

 市内植苗の道の駅ウトナイ湖では、13日から施設の入り口や壁に「経済回して北海道復興!NOMORE自粛」のロゴ入りポスターを張り出した。地震直後の週末は入り込みが半減するなど大きな打撃を受けたが、22、23の両日、毎年恒例の雑貨市うとないまるしぇを開催。出店者からは「地震発生から2週間で、こうしたイベントを開いてよいものか」といった疑問の声も出されたが、道の駅の西村宏基駅長(51)は「お祭り騒ぎをするわけではなく、地震の被害が比較的少なかった苫小牧から北海道の元気を発信したい」と開催を決断。結果、被災地・むかわ町からも木工作の店が出店し、玩具や小物を販売するなど道内各地から50店舗が集い、観光客らでにぎわいを見せた。

 神奈川県から旅行で道の駅を訪れた主婦(33)は「ノーモア・ジシュクはとてもいいことだと思う。商品を買って少しでも北海道の役に立てば」と語った。道の駅では、施設内に厚真町、むかわ町、安平町、苫小牧市の農産物や酒類など特産品を置く復興支援コーナーも設置している。

 市内弥生町の宮永商店も15日から「NOMORE自粛」のポスターを店内に掲示。同店は地震発生以前から、むかわ町産の米や豆、厚真産の米と苫小牧の水を使った日本酒の美苫、安平町の卵などを扱ってきたが宮永玲子店長(64)は「被災地の商品をより多く売って、少しでも復興の支援につなげたい」と意気込む。

 市内錦町の創作四川料理廣明では、インターネットの交流サイト(SNS)で「NOMORE自粛」を呼び掛けている。佐藤朗暢オーナーシェフ自らがポスターを持った写真をインターネット上に掲載。「地震で皿が割れたり、宴会のキャンセルが相次ぐなど店にも被害が出た」としながらも「ここで自粛していてはだめ。経済を回すことが復興につながる」と力説。26日からは、むかわ町のシカ肉やシイタケ、厚真町のハスカップなどを使ったメニューを出して被災地を応援する考えだ。

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