栃木・市貝町 自席のデスクワーク「時間外とみなさず」
毎日新聞2018年10月5日 11時06分(最終更新 10月5日 11時06分)
https://mainichi.jp/articles/20181005/k00/00e/040/245000c

 栃木県市貝町は4日、2010年に自席でのデスクワークを時間外勤務と見なさないとする通知を職員に出していたことを明らかにした。町財政が苦しく、人件費を抑制するためだったという。町は現在は通知が適用されていないとしているが、残業代の一部が未払いとみられ、労働基準法違反の疑いがある。

労働基準法違反の疑い
 町などによると、通知は10年4月に出し、平日の勤務について「自席での事務(デスクワーク)の延長については、時間外勤務と見なさない」と明記していた。
 町は13年7月に「課局室長の判断により時間外手当とする」という通知を出し、10年の通知は適用されなくなったとしている。
 町総務課は「通知は行きすぎた内容だった。全てのデスクワークに残業代を支払っていなかったわけではなく、ケース・バイ・ケースで判断していた」としている。一部の残業代が未払いとみられるが、書類を破棄しているなどの理由で「調査する予定はない」という。
 労働問題に詳しい石田弘太郎弁護士(県弁護士会)は、地方公務員にも一部を除いては労働基準法が適用されると指摘し、「デスクワークも時間外勤務に含まれる。本来なら率先して法律を順守しなければならない自治体がこのような通知を出したのも問題だ」と話している。【萩原桂菜】