台風24号で灯台消失 海保が全国で緊急点検へ
2018年10月13日 4時17分
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20181013/k10011670001000.html

先月接近した台風24号の影響で、鹿児島県の奄美大島では、灯台が根元からなくなる被害が確認されましたが、灯台を固定していたボルトが内側からさびていたことがわかり、海上保安庁は、全国に400余りあるボルトで固定している灯台などを緊急点検することになりました。
先月30日、奄美大島の名瀬港では、台風24号が接近したあと、高さおよそ11メートルの灯台がコンクリートの基礎を残して根元からなくなっているのがわかりました。

海上保安庁が調べたところ、灯台と基礎のコンクリートを固定していたステンレス製のボルト16本が、いずれも外からは見えない内側からさびているのがわかりました。

海上保安庁は、ボルトと基礎のコンクリートとの間に海水が入り込んだか、風の影響で灯台が揺れることで、ボルトが傷つくなどしてさびが進行していった可能性があると見ています。

この灯台は耐用年数を迎えるまであと10年あったということで、海上保安庁は、今年度内に全国に400余りあるボルトで固定している灯台などを緊急点検することにしています。

海上保安庁奄美海上保安部の近藤竜一郎交通担当次長は「さびに強いはずのステンレス製のボルトで、このようなことが起きるのは想定していなかった。詳しい原因を早急に突き止め、全国の灯台で同じ事故が起きないよう対策を考えたい」と話しています。
灯台なくなった現場は小さな機器を設置
鹿児島県の奄美大島の名瀬港で灯台がなくなったことを受け、奄美海上保安部は、緊急の措置として、灯台があった防波堤に明かりを点灯させる小さな機器を設置しています。

緊急で設置された機器は高さが50センチほどで、堤防のくいにひもで固定されていて、夜間は電池でLEDライトを点灯させます。

海上保安庁は、今後、新たな灯台の整備に向けて予算の確保など必要な準備を進めていくとしています。