2019年10月の消費税率10%への引き上げ方針が表明された。飲食料品などの税率を8%に据え置く軽減税率が導入されることから、兵庫県内の企業などは従業員向けの研修やシステム改修を加速。駆け込み需要を着実に取り込むための工夫にも知恵を絞る。(三島大一郎、中務庸子、塩津あかね)

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購入・消費形態によって適用税率が異なる食品の関連企業は、頭を悩ませる。

 神戸市のパン製造販売会社は、路面店の約3割にイートインコーナーを備え、持ち帰りと店内飲食する商品を分けて精算しなければならず、既存レジの交換や改修が迫られる。ただ、商業施設などに出す店では、出店先が定める仕様のレジを使っており、「(新しいレジの指示を)待つしかない」(担当者)という。

 調味料のみりんは成分によって税率が変わる。キング醸造(兵庫県稲美町)によると、アルコール分を含む「本みりん」は標準税率が、「みりん風調味料」は軽減税率がそれぞれ適用されるという。現状ではラベル表示で混同を避けることを業界団体が自主基準で定めるが、同社は「具体的にどう区別するのか、これから業界で検討しなければならない」とした。

 駆け込み需要を見込み、体制強化の検討を始める企業もある。分譲マンションなどは来年3月末までに契約すれば、引き渡しが10月1日以降でも8%が適用される経過措置がある。和田興産(神戸市中央区)の幹部は「需要の増加が見込める来年3月までに供給を増やすことを考えなければ」と話している。

2018.10.16
ひょうご経済+
https://www.kobe-np.co.jp/news/keizai/201810/0011734593.shtml