倉庫から200億円以上の覚醒剤 国際的密売グループ関与か

2018年10月24日 12時26分
NHKニュース
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20181024/k10011683651000.html

今月、名古屋市の倉庫からおよそ350キロ、末端価格200億円以上の覚醒剤が見つかったことが、捜査関係者への取材でわかりました。台湾から船で持ち込まれたものと見られ、警察は、近くにいた男3人を逮捕するとともに、国際的な薬物の密売グループや日本の暴力団が関わっていると見て捜査しています。
捜査関係者によりますと、今月4日の夜、名古屋市港区の倉庫に不審な人物が出入りしているという通報があり、警察が調べたところ、倉庫の中からおよそ350キロ、末端価格200億円以上の覚醒剤が見つかりました。
覚醒剤は大量の自動車のタイヤのホイールの中に隠されていて、警察は、近くにいた、いずれも台湾出身の徐正嘉容疑(37)ら3人を、覚醒剤取締法違反の疑いで逮捕しました。

これまでの調べで覚醒剤は、台湾から船で持ち込まれたと見られています。
徐容疑者らは受け取り役と見られ、先月、香港経由で中部空港から入国したのが確認されているということです。

警察は、末端価格が高い日本で売りさばくために密輸したと見て詳しいいきさつを調べるとともに、国際的な薬物の密売グループや日本の暴力団が関わっていると見て捜査しています。

捜査関係者によりますと、徐容疑者らはいずれも容疑を否認しているということです。
海外から大量密輸相次ぐ
ここ数年、海外から密輸される覚醒剤の量は急増していて、港などで押収された覚醒剤はおととしと去年、いずれも年間1000キロを超えています。
今回押収された覚醒剤は去年全国で押収された量のおよそ30%にあたり、末端価格で200億円以上に相当します。

最近は1度に大量に密輸する手口が目立っていて、去年8月には茨城県ひたちなか市の沖合で覚醒剤およそ475キロが見つかっています。

捜査関係者によりますと日本の覚醒剤の末端価格は海外に比べて高く、国際的な犯罪組織が大量に持ち込んで利益を得ようとする動きが活発になっているということです。

また、取締りの強化で資金源が少なくなっている日本の暴力団が関与しているケースも多く、警察などが警戒や取締りを強化しています。