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古いラジオの修理を続けながらうつ病と闘ってきた松本市村井町南の久保田長利さん(62)が、
真空管ラジオや鉱石ラジオを展示する「懐かしの音風景 鉱石ラジオ」を27日から山形村図書館で開く。
自分を支えてくれたラジオを、子どもたちが科学に興味を持つきっかけにしてもらおうと企画。
11月3、4日には鉱石ラジオの試聴体験もある。

久保田さんはテレビ部品の製造工場に約30年勤めていたが、部署の配置転換による過労で2007年にうつ病と診断された。
療養中、中学時代に拾った真空管ラジオを物置に保管していたことを思い出し、インターネットなどの情報を頼りに修理。
ラジオから力強い音が鳴ると自信を取り戻せたといい、これまでに修理、自作したラジオは300台以上に上る。

「ラジオを直すことで自分を治しているような気持ちになった」と久保田さん。
ラジオを子どもたちに見てもらい、教育などに役立ててもらおうと同館に展示を提案した。

鉱石ラジオや真空管ラジオなど10点を展示予定。試聴体験では昭和20、30年代の鉱石ラジオで電波を受信して聞く。
学校関係者や自治体などにラジオを寄贈したいと考えている久保田さんは「お年寄りには昔を懐かしく思い出してもらい、
子どもには音が鳴る不思議さに興味を持ってもらえればいい」と話す。

展示は11月4日まで。29日は休館。試聴体験は3日午後1?3時と4日午前10時?正午。
参加無料。問い合わせは同図書館へ。