神社の神事に用いられる大麻の栽培が、県の許可を受け、今年の春から伊勢志摩地域で始まりました。この大麻から麻の繊維を取り出す作業がいま、度会郡南伊勢町で行なわれています。

大麻は神社に奉納される麻布(あさぬの)や神職の装束などに用いられてきましたが、現在、国内での生産はわずかで外国産や化学繊維などが使われることがほとんどです。

そこで、神社関係者らが中心となって設立した「伊勢麻振興協会」が、麻の安定供給などを目的に今年4月、県内での大麻の栽培許可を取得しました。

南伊勢町の作業所では栃木県で麻の栽培を学んだ谷川原 健さん夫婦が、8月に収穫した麻の茎から繊維を取り出す作業に追われています。

発酵液につけた茎の状態や傷の有無を確認しながら丁寧に皮を剥ぎ、専用の機械にかけながら繊維に屑が残らないよう一枚一枚こそげ落とします。

そして、形を整えながら乾燥させて完成となります。県内での大麻の栽培を巡っては、一時、安全性を理由に三重県が申請を許可しませんでしたが、盗難対策などを改善し許可がおりた今年春から栽培が始まりました。

この作業は来月下旬まで行なわれ約30キロの麻が多度大社と椿大神社に納められます。

2018/10/24 23:37
三重テレビ
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