柳井市と山口県周防大島町を結ぶ大島大橋への貨物船衝突事故で全域が断水する同町で25日、自衛隊が海水から真水を作る支援活動を始めた。

造水装置で海水を真水にろ過する自衛隊員
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本土から消防用ホースを1キロつなぎ送水する緊急措置や、臨時フェリーによるガソリン輸送も始まった。一方、橋は安全確保のため風速5メートル以上の風で一時通行止めとなるため、この日は2時間閉鎖。住民生活の困窮は続く。

 町立橘病院では午前9時半、県から災害派遣要請を受けた航空自衛隊防府南基地(防府市)の隊員4人が給水活動を開始した。1日8トンの真水を作る装置で安下庄港の海水を生活用水の真水に変えた。同病院は77トンの貯水タンクを備えるが、この日朝には水位が約10センチにまで下がった。岡隆院長(59)は「あと数時間で空になる量だった。命の綱が加わった」と喜んだ。

 柳井市と同町は、柳井側の消火栓から橋の歩道上に1本20メートルの消防用ホースを69本つなぎ、島側に給水車や大型タンク向けの給水所を設置した。毎分100リットルの水を送ることができ、水質検査で安全を確認できれば給水所へ回す。

 橋を大型車両が通行できない影響で、島内の備蓄量が減っていたガソリンやLPガスは、タンクローリー4台が県が手配した臨時フェリーで島に渡りガソリンスタンドに補充。レギュラーガソリンの残量が500リットルまで減っていた給油所の社長(42)は「タンクはほとんど空だった。今後が不安だが給油制限が解除できてよかった」と話した。

 一方、県は同日午前10時15分から約2時間、大島大橋を通行止めに。風圧と通行車両の重量などで橋の損傷が進みかねないと判断した。県は22日の事故後、橋をいったん通行止めにし「風速3メートル以下」の条件で24日朝に解除。車両の走行状況から「5メートル以下」に見直した。来週からは風速条件はそのままに夜間に限り総重量8トン以下の車両も通行させる方針。

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