日立化成、半導体素材で検査不正…影響拡大も

電子部品などを手がける日立化成で、半導体向け素材の検査データを巡る不正の疑いがあり、取引先に通知していたことがわかった。

この素材は、パソコンや家電、自動車など幅広い製品に使われるもので、日立化成は取引先に連絡を取り、安全性などについて調査を進めている。

日立化成は日立製作所の子会社。関係者によると、不正は半導体のICチップを覆う樹脂の素材で行われた。

日立化成は、顧客と交わした契約とは異なる方法で検査を行っていたという。

日立化成は、エポキシ樹脂を使った半導体用封止材と呼ばれる素材で世界トップクラスのシェア(占有率)があるとされる。産業界に影響が拡大する可能性がある。

半導体は、計算機能を担うICチップを封止材で覆うことで、光や熱、ほこりや衝撃などから保護している。

封止材は、携帯電話やパソコンを分解すると、半導体を黒いカバーのように覆っている樹脂状のものだ。耐熱性や耐湿性に優れた製品が求められている。

この封止材に問題がある場合、長い期間、使われている間に不具合が生じる可能性が考えられる。

日立化成は読売新聞の取材に対し「現時点では何も申し上げられない」としている。

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