2027年に予定されているリニア中央新幹線の開通を見据え、起点となる品川駅とその周辺が大きく変化する見込みです。
駅前の国道上に歩行者デッキを整備し、そこを次世代型のモビリティへの乗り換え拠点とする案が示されています。

スマホ予約した自動運転モビリティへの乗り換え拠点に

2027年に予定されているリニア中央新幹線の開通を見据え、起点となる品川駅とその周辺が大きく変化する見込みです。
2018年10月29日(月)、有識者および国や自治体、関係事業者からなる品川駅西口駅前広場整備事業計画の検討会が、東京都千代田区の国土交通省東京国道事務所で開催されました。

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国土交通省が作成した品川駅西口駅前広場のイメージ映像より。国道上にデッキを設置し、次世代交通ターミナルなどが整備される(画像:東京国道事務所)。

開発の骨子としては、品川駅西口(高輪口)駅前を通る国道15号(第一京浜)上空に、大規模な歩行者デッキを整備、品川駅構内の東西自由通路とも連結し、道と駅、街が一体となる空間を整備していくというものです。
この機能を高めるべく、現在高架となっている京急線ホームを地上化し、JR在来線と同レベルで並列にすることも予定されています。

計画案を説明した東京国道事務所 副所長の吉田幸男さんは、「品川はこれからの日本の成長をけん引していく重要な地域です」としたうえで、
近隣地区の再開発計画とともに、世界の人々が集う国際交流拠点、未来型の交通拠点として整備していくと話しました。

この西口駅前広場の具体的なゾーン配置としては、デッキ上に「次世代交通ターミナル」「シンボリックなセンターコア」「人々が集う賑わい広場」を、
地上部には「利便性の高い路線バス乗降場」「北品川方面への溜まり空間」「新駅(品川〜田町間に整備)方面への歩行空間」を整備する案が示されました。
なかでも目玉となるのは、デッキ上に整備される「次世代交通ターミナル」です。

バスなど既存の交通機関とは一線を画すこの「次世代交通ターミナル」は、車いす型のパーソナルモビリティや、自動運転を行う2人乗り程度の小型乗用車タイプ(超小型モビリティ)、
12人乗り程度の小型バスなどに乗り換える拠点を想定。利用者がスマートフォンなどで事前予約したモビリティが、自動運転で利用者のもとへやってきて、近〜中距離の移動支援を行うとのこと。

周辺にも、これらモビリティが待機する「デポ」と呼ばれる小規模な乗降場を整備するほか、商業施設の地下などを利用し、まとまった台数が待機可能な「プール」と呼ばれるスペースを確保。
モビリティの数が不足した場合などに、ここから各モビリティポートへ自動運転で配車することも想定しています。
完全無人となる自動運転技術はまだ確立されていない段階ですが、「『世界最先端』がコンセプト」(東京国道事務所 吉田さん)とのこと。
国内外の動向をとらえつつ、導入に向けたスキームを関係各所と構築していくといいます。

実現するか次世代交通ターミナル 大きな不確定要素は「地下鉄」

品川駅西口の再開発においては、防災の機能も強化されます。
羽田空港やリニア中央新幹線などと連絡するこの品川駅西口の各施設が、大規模災害発生時に、海外からの支援を受け入れる防災の拠点になるという考えも示されました。

東日本大震災時には、国際協力支援の受け入れがスムーズにいかなかったといいます。
品川駅西口周辺のホテルや会議場などの施設を、発災初期は帰宅困難者の収容や車両の一次待機所などに活用し、その後は海外支援部隊の宿泊や、情報収集の拠点、プレスルームなどとして機能させることを想定。
平常時と災害時の機能を両立できる施設計画を検討するとしています。


http://news.livedoor.com/article/detail/15524761/
2018年10月31日 11時0分 乗りものニュース