ガソリン価格が高騰し、2018年10月には一時、約4年ぶりにレギュラーの平均販売価格が160円台に達しました。
しかし、地域別に見るともっと安かったり、高かったりする地域も。そのような差はなぜ生まれるのでしょうか。

最も安い県と高い県とで13円以上の差!

2018年現在、燃料価格の上昇基調が続いています。
10月22日(月)には、レギュラーガソリンの全国平均販売価格が1Lあたり160.0円に達しました。
これは4年ぶりの高い水準です。10月29日(月)には9週ぶりに値下がりし、1リットルあたり159.6円となっています。

しかし都道府県別に見てみると、より安い地域、高い地域が分かれます。
たとえば、全国平均で160円を記録した10月22日(月)時点におけるレギュラーガソリンの1リットルあたり平均販売価格を安い順に見てみると、ベスト5とワースト5の都道府県は次の通りです。

●安い地域
・埼玉:155.3円/L
・千葉:156.1円/L
・徳島:156.6円/L
・茨城:157.1円/L
・和歌山:157.1円/L

●高い地域
・長野:163.7円/L
・大分:165.4円/L
・沖縄:165.7円/L
・鹿児島:166.6円/L
・長崎:168.8円/L
(資源エネルギー庁「給油所小売価格調査」より。価格は税込の店頭現金価格)

最も安い埼玉県と、最も高い長崎県とで、じつに13.5円もの差が生じています。
ちなみに10月29日(月)時点の記録では徳島、茨城、和歌山はベスト5位以下になりましたが、埼玉と千葉は不動、ワーストの5県は大分と沖縄の順位が入れ替わるものの顔ぶれは変わりません。
このような価格差はなぜ生じるのか、資源エネルギー庁に聞きました。

――ガソリン価格の地域差はなぜ生じるのでしょうか?

油槽所からの距離に応じた物流費など、複数の要素が関係しています。
油槽所から近く、安く仕入れられるところは価格面でアドバンテージがありますし、都市部など販売量が多いところであれば、競合の数も増えます。
そのなかで、安価で販売するお店があれば、その価格と離れすぎても売れなくなりますので、追随して地域全体が安くなっていくわけです。

物流コスト上昇 「地の利」がより鮮明に

――ガソリンスタンドの数は減っていますが、それが競合関係に影響はしていないのでしょうか?

確かに、スタンドの数はピーク時から半減していますが、それにも同じ都道府県のなかで濃淡があります。
過疎の問題を抱える地域もある一方で、都市部はスタンドの数がまだ多いので、そのことが都道府県別の価格に反映されています。

――(10月22日現在で)平均販売価格が安い5県、高い5県を見ていくと、どういった特徴がありますでしょうか?

販売価格が安い茨城、埼玉、神奈川などは、油槽所に近いというメリットと、競合の多さ、販売量の多さが反映されています。
販売量が多いところでは、石油元売り会社からインセンティブが出ることもあり、そうした格差も生じるのです。
また、徳島や和歌山は、安売りのお店に引っ張られる形で、価格競争が激化しているためと分析しています。

一方、販売価格が全体的に高めの九州、特に鹿児島や長崎は、離島を抱えていることもあり、他の地域よりも高く出る傾向があります。内陸の長野なども、物流費の影響が大きいでしょう。

※ ※ ※

先に挙げた10県のなかで、平均販売価格が近年になって大幅に上がった県もあります。それは沖縄です。

沖縄はもともと、復帰特別措置(沖縄の復帰に伴う特別措置に関する法律)により、ガソリン税が本土より7円減免されており、「ガソリンの安い県」として知られていましたが、現在では一転して「高い県」に。資
源エネルギー庁によると、「沖縄本島で唯一の製油所が(2015年に)閉鎖されたためです。
以来、本土などから石油を輸送する必要が生じたほか、備蓄タンクの使用料などもかかるようになり、コストが上がっています」とのこと。
いまも7円の減税は続いていますが、それを上回って販売価格が上昇しているのです。

http://news.livedoor.com/article/detail/15529179/
2018年11月1日 6時20分 乗りものニュース