職場の飲み会で同僚の女性警察官にわいせつな行為をしたとして、強制わいせつ罪に問われた福岡県警留置管理課の元警部補、於保おほ重信(59)、同、枝尾光博(58)両被告(いずれも依願退職)に対し、福岡地裁は31日、於保被告に懲役1年4月、執行猶予3年、枝尾被告に懲役1年6月、執行猶予3年(ともに求刑・懲役1年6月)の判決を言い渡した。

両被告は無罪を主張したが、太田寅彦裁判長は強制わいせつ罪の成立を認めた。

 判決によると、両被告は共謀し、2015年9月18日夜、福岡市内の飲食店で、於保被告が女性警察官を羽交い締めにして引き倒した後、枝尾被告が女性の両足を広げ、股間を押し当てるなどした。

 弁護側は公判で、女性の両足を広げたことは認めたが、股間を押し当てた行為は否定。「冗談でやった宴会芸。セクハラではあるが、わいせつ行為とは評価できない」と無罪を主張していた。

 太田裁判長は「股間が少なくとも2、3回は当たった」とする女性の証言を「具体的で信用できる」と指摘し、弁護側の主張を退けた。その上で、「多数の男性の前で部下の女性に及んだ卑わいで悪質な犯行だ」と述べた。

 事件が起きた留置管理課の飲み会には16人が参加。女性警察官は証人尋問で、「何度も『やめてください』と叫んだのに、誰も助けてくれなかった」と話していた。

 県警は両被告を停職の懲戒処分にしたほか、わいせつ行為を手助けしたとして男性巡査長を減給3か月(10分の1)、その様子をスマートフォンで撮影した男性巡査部長を本部長訓戒としている。

2018年10月31日 12時34分
YOMIURI ONLINE
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