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伊藤忠商事 1400億円余の損失計上も最終利益で過去最高見込み
2018年11月2日 18時49分

大手商社の「伊藤忠商事」は、中国経済の減速などを背景に当面、株価の回復が期待できないとして、中国最大の政府系企業グループへの出資に関連して1400億円余りの損失を計上したと正式に発表しました。ただ、幅広い部門の業績が好調だとして、今年度決算では、これまでで最高となる5000億円の最終利益を確保できる見通しです。

伊藤忠商事は、3年前に出資した中国最大の政府系企業グループ「中信集団」の中核会社について保有する株式の評価を見直し、1433億円の損失を計上しました。

これについて、鉢村剛CFO=最高財務責任者は、記者会見で「将来の収益性や米中貿易摩擦の影響なども勘案して議論してきたが、来年度に向けては中国の景気は厳しくなる可能性があり株価が上がりにくいため、早めに処理をしておくべきだと判断した」と説明しました。

ただ、多額の損失を計上しても、資源をはじめ、幅広い部門で業績が好調なことなどから、今年度の決算は最終利益が5000億円とこれまでで最高となる見通しです。

伊藤忠商事による「中信集団」への出資は、日本と中国を代表する企業どうしの大型提携として注目されましたが、中国経済の減速に伴う株価の低迷が日本企業の決算にも影響を及ぼす形となりました。