ホワイトハウスのナバロ国家通商会議(NTC)委員長はウォール街の銀行やヘッジファンドに対し、中国の習近平国家主席と通商交渉で早急に合意するようトランプ大統領に圧力をかけるべきではないと警告した。

ナバロ委員長は9日にワシントンで講演し、「グローバリストの億万長者らは中国政府の影響行使の一環として、アルゼンチンでのG20会議を前にホワイトハウスに全面的な攻撃を仕掛けている」と発言。狙いは「大統領に何らかの合意に至るよう圧力を掛けることだ」としながらも、実際には交渉における大統領の立場を弱めており、「何も良い結果は生まれない」と述べた。

投資家は「数十億」ドルという自分たちの資金を、製造業の雇用消失で打撃を受けた地域の再興に振り向けるべきだと、ナバロ氏は主張した。「ウォール街は交渉に口を出すな」と発言。「ゴールドマン・サックスの資金をオハイオ州デイトンに振り向け、米国に投資するべきだ」と述べた。

同氏はウォール街がどのようにホワイトハウスに圧力を掛けているか、詳細には言及しなかった。ゴールドマンの元社長で、国家経済会議(NEC)委員長を務めたゲーリー・コーン氏は2日前、トランプ大統領が「貿易赤字は悪いことだと考えるエコノミストをアマゾンで1人見つけ、その人物の言うことに耳を傾けている」と述べ、遠回しにナバロ氏を揶揄(やゆ)していた。

https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2018-11-09/PHY1VH6K50XS01?srnd=cojp-v2