イギリスのメイ首相は、EU=ヨーロッパ連合との離脱交渉は、「最終盤を迎え極めて厳しい局面にある」という認識を示したうえで、来年3月の離脱後はTPP=環太平洋パートナーシップ協定に参加する交渉などに力を入れる考えを示しました。

イギリスのメイ首相は12日、ロンドンの金融街シティーで開かれた晩さん会で政財界の代表を前に演説しました。

この中でメイ首相は、EUとの離脱交渉について「交渉は最終盤を迎え極めて厳しい局面にある。しかし、私はどんな犠牲を払ってでも合意を得ようとは思わない」と述べ、イギリスが主張する国境管理の在り方などでは譲らない姿勢を強調しました。

そのうえで離脱後の戦略について「EUから離脱すれば世界中と関係を築くチャンスがやってくる。TPPを含めさまざまな自由貿易協定への参加を目指したい」と述べました。

メイ首相は、中でも成長著しいアジアとの関係が今後のイギリスにとっては重要だと強調し、来年3月の離脱後、初の貿易交渉をアジア太平洋地域で行うことも明らかにしました。

メイ首相としては、将来の経済戦略を示すことで離脱交渉をやり遂げる決意を示した形ですが、離脱までおよそ4か月となっても合意の見通しがたたないことに、与野党から批判が高まっています。



NHK 2018年11月13日 9時46分
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20181113/k10011708511000.html?utm_int=news-business_contents_list-items_019