「奈良の大仏」として親しまれる世界遺産の華厳宗大本山「東大寺」(奈良市)のトップ補佐が20代女性に繰り返し、わいせつ行為をしていた。

 女性の体を触ったとして、9日、奈良県警に強制わいせつの疑いで書類送検されたのは、東大寺の僧侶、平岡昇修上院院主(69)。平岡上院院主は今年7月、東大寺境内の施設内で、数回にわたって寺で働いていた20代のアルバイトの女子大生の胸を無理やり触ったとされる。女性が奈良署に被害届を出していた。

「上院院主」とは、お水取りの舞台として知られる「二月堂」や東大寺最古の建物「法華堂」(三月堂)がある上院地区の責任者。東大寺トップの別当(住職)を補佐する立場で、歴代の別当が就任前に就いた要職。平岡上院院主は2016年まで、寺務では別当に次ぐ執事長だった。現在は東大寺福祉療育病院を経営する社会福祉法人「東大寺福祉事業団」の理事長と東大寺塔頭・上ノ坊の住職。今年の東大寺二月堂の修二会(お水取り)では、最上位の「和上」(授戒者)を務めた。

 経歴はピッカピカだ。

 本人のHPなどによると東大寺学園高、大谷大を経てインド・マドラス大へ留学。サンスクリット語を学び、帰国後は大谷大、花園大、桃山学院大、名古屋外国語大でそれぞれ非常勤講師を務め、東大寺財務執事、東大寺図書館長、アジア・アフリカ国際奉仕財団理事長、全国国宝重要文化財所有者連盟副理事長などを歴任し、2年前、現職に就任した。

 祖父は第200世別当で父親は第213世別当という毛並みの良さ。父親は京大から東大大学院に進んだ学僧で、日本を代表する中世仏教史の研究者。「東大寺の歴史」「東大寺辞典」などの著書がある。さらに平岡上院院主の妻はインド美術史研究家で、ジョン万次郎の子孫だという。

 平岡上院院主は共同通信の取材に「弁護士に入ってもらい解決した」と話した。示談が成立したのかどうか東大寺に確かめようとしたが、「担当者が席を外している」との返答。

 改めて文書で質問を送ると、東大寺寺務所から「(担当者は)対応できる状況にありませんので」とした上で「送検の結果が未だ確認できておりませんので、今の時点でお答えすることができません」と書かれた1枚のファクスが送信されてきた。

 平岡上院院主の自宅に電話をかけると「私、留守の者ですので……」という女性が出てきて「今、おふたりとも取り込んでおられるので。ごめんくださいませ」と、一方的にガチャンと切られた。

 今年3月には、約1400年の歴史を誇る国宝「善光寺」(長野市)を共同運営する天台宗「大勧進」トップの住職(84=当時)がセクハラ疑惑や差別発言などを指摘され、解任されたばかり。日本を代表する寺院の高僧は、煩悩を抑え切れないのか。

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ご尊顔
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