名古屋市の瑞穂郵便局の配達担当部署に所属する男性局員が、市内の六十代男性の郵便物を無断でコピーし、他部署の局員に見せていたことが分かった。郵便物の内容を見たり、無断でコピーしたり、第三者に内容を伝えたりするのは、郵便法で定める「信書の秘密」の侵害に当たる可能性がある。日本郵便東海支社は社内調査し、不適切な行為だったと認定した。

 無断コピーされたのは、男性が五月下旬に特定記録郵便で瑞穂区内の住居宛てに郵送したはがき一枚。男性が関わった訴訟の内容が記されていた。

 関係者によると、社内調査の結果では、男性局員は後輩から「きつい文言が書かれたはがきがある。配達しても良いか」と相談を受けた。近くに管理者がおらず、男性局員ははがきをコピーした上で通常通り配達するよう促し、自らは別の配達に向かった。

 郵便局に戻った後、男性局員は管理者ではなく、他部署の局員にコピーを見せ「配達させてしまったが大丈夫だったか」と相談したという。コピーは数日後にシュレッダーで廃棄した。

 被害男性は瑞穂郵便局の知人から訴訟の情報が局内で漏れていると聞き、「はがきの内容が第三者に漏れている」と局に指摘。問題が発覚した。日本郵便東海支社の聞き取りに、男性局員や後輩局員は「業務の一環のつもりだった」という趣旨の説明をしている。

 同支社の担当者は取材に「不適切な取り扱いがあったことは把握している。社員に対しては厳正な対処をした」とし、「郵便物の中身を見たり、コピーしたりする行為が常態化しているわけではない」と話した。

2018年11月18日 朝刊
東京新聞
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