0001プティフランスパン ★
2018/11/21(水) 08:31:28.92ID:CAP_USER9https://mainichi.jp/articles/20181121/k00/00m/040/189000c
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経済産業省が普及率100%を目指しているIC式の決済端末=岡山市北区で、益川量平撮影
偽造クレジットカードでブランド品などが不正購入される事件が後を絶たない。特に最近は、観光名目で来日したマレーシア人らによる犯行が全国的に目立つ。岡山でも昨年以降、5人が逮捕されている。日本は偽造カードへの対策が遅れており、マレーシアを拠点とする犯罪組織の「ターゲット」になっている可能性がある。【益川量平】
「仲間に言われた通り、買い物をした」。10月1日、岡山地裁であった被告人質問。岡山市内で偽造クレジットカード6枚などを所持していたとして、不正電磁的記録カード所持の罪に問われたマレーシア人の男(26)は事件の背景を語った。
法廷での供述などによると、男は観光名目で6月ごろに来日した。渡航の前、マレーシア人の知人からカード6枚を渡され、「これを持って日本に行き、仕事をすれば借金の返済をしなくてもよい」と言われた。男は、この知人から約50万円を借りていた。
岡山に入ったのは7月5日ごろ。香水や家電製品、携帯電話を買うよう指示されていた男は7月11日、岡山市北区のショッピングモールで買い物をしようとした。しかし、カードが店の決済装置で認証されない。店側に通報され、駆け付けた警察官に逮捕された。
男のように偽造カードを使って買い物をする役割を「切り子」と呼ぶ。百貨店やデパートでブランド品や腕時計を購入するよう犯罪組織などから指示されているという。法廷で検察官から「働いて借金を返すつもりはなかったのか」と問い詰められると、男は「いきなり『一括で返済しろ』と言われて……」とうつむいた。10月29日、執行猶予付きの有罪判決を言い渡され、確定した。
警察庁によると、全国で偽造カードの所持などで検挙された訪日外国人は年々増えている。2017年は346人に上り、15年の6倍以上だ。このうちマレーシア人は3割を占める。マレーシア人は15年がゼロ、16年が1人だったのに比べると急増ぶりが目立つ。18年も1〜6月に検挙された訪日外国人231人のうち6割がマレーシア人だ。
県警はマレーシア人の犯行が増えている背景について、マレーシアを拠点とする犯罪組織の存在▽90日以内ならビザがなくても来日できること−−を挙げる。
■ IC式の決済率低く標的に
クレジットカードには、不正使用や偽造が難しいIC式と、比較的偽造がしやすい磁気式がある。経済産業省によると、IC式を備えたカードの国内普及率は77%(2017年現在)。一方、IC式の決済率は17%(同年2月現在)にとどまる。日本では磁気式が先に普及し、小売店の多くが磁気式のみに対応した決済端末を使っているためだ。
海外のIC式決済率は欧州がほぼ100%、米国は5割と日本の遅れが目立つ。偽造カードを使われても、代金を補償するカード会社があることも理由の一つとされる。経産省は、東京五輪前の20年3月までにIC式決済率100%の達成を目指し、小売店に決済端末の切り替えを呼び掛けている。担当者は「セキュリティー対策の強化を促していきたい」と話している。