鹿児島県鹿屋市にある老人ホームで、先月以降入居していた高齢者、合わせて6人が死亡していることがわかりました。施設では夏以降、8人の介護職員が相次いで退職していて、県は立ち入り検査を行って運営に問題がなかったか調べています。施設側は「医師と看護師がついており、医療面で影響はなかった」と話しています。

鹿屋市にある住宅型有料老人ホーム「風の舞」では、先月から今月にかけて入居していた高齢者、合わせて6人が死亡しました。

この施設では、ことし8月から9月までの間に、8人の介護職員が退職していて、鹿児島県は今月16日に立ち入り検査を行って、運営に問題がなかったか調べています。

会見を開いた「風の舞」の施設長や運営するグループの医師によりますと、死亡した入居者は85歳から97歳の女性6人で、「老衰や腎不全」や「誤えん」などが原因で亡くなったということです。

また介護職員が退職したのは待遇への不満などが原因だとしていて、現在、施設長やパートで働く職員が介護の業務を担っているということです。

施設側は「食事や排せつの介助が通常と変わらなかったと言ったらうそになる。しかし医師と看護師がついており、医療面で影響はなかったと考えている」などと話しています。

風の舞には現在、31人が入居しているということです。

運営や人員配置などに厳格な基準なし
厚生労働省によりますと、有料老人ホームの運営や人員配置などに関する厳格な基準はなく、一定の指針を示し、これに即した運用を求めています。

鹿児島県鹿屋市の「風の舞」は、要支援者や介護度が低い人の受け入れを想定している「住宅型」の施設で、指針では介護職員の人数などについて「介護サービスの安定的な提供に支障がない職員体制とすること」としています。

夜間や緊急時についても「対応できる数の職員を配置すること」として、具体的な人数は示されていません。

厚生労働省は「施設の形態や入居者の状態がさまざまなため、明確にすることは難しい」としています。

鹿児島県も国の指針に基づいて施設の監督や指導に当たっています。

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20181121/k10011719161000.html