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弘前大学農学生命研究科の東信行教授と岩手大学大学院連合研究科のムラノ千恵博士研究員、学生らの研究グループは19日、
フクロウが営巣したりんご園では害獣であるハタネズミの生息密度が減少していることを科学的に証明した。

同研究グループが農業者団体と協働し、りんご園に巣箱を設置、フクロウの繁殖を誘致したところ、フクロウが営巣したりんご園では、
害獣であるハタネズミの生息密度が減少していることが明らかになった。
特にフクロウは、ハタネズミの密度の多い園地を選んで営巣しており、巣周辺ではハタネズミの個体数が平均で63%減少することがわかった。
また、繁殖期のフクロウは雛を育てる1か月間で最大300匹の餌生物を捕獲し、そのうちの8〜9割がハタネズミであるということもわかった。
この研究結果により、りんご園における獣害管理にフクロウの繁殖支援が有効であることが示された。

近年、ハタネズミによるりんご樹の食害が深刻化しており、同研究グループは、ハタネズミの捕食者であるフクロウの営巣場所が
農地から失われたことをその原因として推測。
2014年からりんご園に巣箱を設置し、2016年からはハタネズミの個体数の変化を測定し始めていた。
同研究グループは今後も引き続き、獣害管理の手法に関する研究を進めるとしている。