【東京外食大全】なぜ、サブスクリプションを導入する飲食店が増えているのか?
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@DIME2018.11.25
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●サブスクリプション

 サブスクリプション(略してサブスク)という言葉をご存じでしょうか?

 辞書的な意味は、「個々の商品を買い取るのではなく、利用期間に応じて料金を払う方式」。と書くと何だかややこしいですが、早い話が「定額課金」。元々はコンピュータのソフトウェアに使われていた用語で、ネットが進化してクラウドに大量のデータが置けるようになると、HuluやNetflixなどの映像配信や、Spotify、Apple Musicなどの音楽配信にも使われるようになり、一般に広く知られるようになりました。

 アメリカで、Hulu、Netflix、Spotifyの3社が定額サービスを始めたのが2008年で、世界的なサブスク元年となりました。これらが日本に上陸したのは、一番早いHuluで2011年。日本は少なくとも3年遅れだったようです。

 ちなみに、Huluの料金は月額1007円。そんな安い料金で、数千本の映像ソフトを見放題にして、ビジネスとして成り立つのか他人事ながら心配になりますが、人間ってのは生来ズボラな生き物で、ソフト1本1本だと買わない人が、まとめてなら「えいやっ」で入ってしまう上、一度自動引き落としにすると、利用しなくても退会するのを忘れてダラダラ引きずってしまうようで、十分ビジネスになるんだそうです。

 このサブスク、非デジタルの世界にもジワジワ浸透し始めています。飲食の世界にサブスクを最初に導入した事例は、2006年にはなまるうどんが発売した、月額500円でかけうどん小が1日1杯タダになる「うどん定期券」ではないでしょうか(この時はまだサブスクリプションという言葉はありませんでした)。

サブスクリプションを導入している主な飲食店

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 2014年には、ネクストスタンダードという会社が、「月額500円でカレー食べ放題」という本格的なサブスク店を福岡に出店。この店、食べ放題は米とルーだけで、トッピングの肉や野菜は有料と、はなまるうどん同様、儲けはトッピングで出す仕組み。顧客管理がしやすく、客のロイヤリティーを高めて囲い込める上、毎日来るお客さんは1%に過ぎないので、十分利益は出るそうです。

 同社は今年8月「月額500円で卵かけご飯が食べ放題」の『TKG食堂』を西荻窪に出店し、東京に進出。現在、この店は移転のため休業中で、11月から同じ西荻窪で再開する予定ですが、同じ11月に、蒲田に「500円でうどん食べ放題」の店も出店する計画があるそうです。卵かけご飯もうどんも、トッピングで利益を出す仕組みは同じです。

 ネクストスタンダードに遅れること2年、グルメサイト運営のfavyが、2016年10月に西新宿に出店したコーヒー専門店の『コーヒーマフィア』は、月額3000円で300円のLサイズ・コーヒーが飲み放題というサービスを展開。同社は、もともと、定額会員制焼肉店『29ON』を経営しており、サブスクリプションには理解があったのでしょう。

 続いて、2017年4月には元グーグル社員・大塚ケヴィンが自由が丘に開いた『アルファ・ベータ・コーヒー・クラブ』、同年7月には京都の高級アイスクリーム店『ハンデルスベーゲン』が京都・大阪・横浜・池袋に展開している『ハンデルスカフェ』、今年夏には渋谷の『月詠珈琲』が、サブスクリプションを導入。映像配信や音楽配信より、コーヒーのような日常的な飲食物のほうが、何杯飲めば元が取れるという計算がしやすく、わかりやすいお得感があるので、客を集めやすいのかもしれません。


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