外国人と共生する時代だが……(写真はイメージ)
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■「移民」なのに「移民ではない」と言い張る無理

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 今回の入国管理法改正案では、主要紙の中では唯一、日本経済新聞が「少子高齢化を克服する具体策が聞きたい」(10月25日)が「介護、農業、建設分野などの人手不足を緩和して、成長力を底上げしていく方向性は正しい」(10月25日付)とほぼ全面的に賛成している。11月3日付「外国人の就労拡大は生活の安定が前提だ」でも「人口減少下で日本が成長するには外国人材の積極的な受け入れが不可欠だ」と述べている。ともに、「与野党は議論を深めるべきだ」という条件付きながら、こうした積極的な賛成意見は珍しい少数派だ。

■「人」として迎えようとする朝日・東京・毎日

 朝日新聞「外国人労働者 『人』として受け入れよう」(10月29日付)は人道的な面から「虫のいい政府案」と批判する。

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 東京新聞「外国人労働者 差別のない就労条件で」(10月29日付)も、「人間として扱え」と訴える。

「人手のために単純労働者の受け入れ制度を―との考えは発想が単純すぎる。一定の技能を持つ『特定技能1号』の在留資格の外国人は、在留期限が通算5年で、家族の帯同は認められない。人権保障の観点から大問題である。日本にいる限り憲法や国際人権法などの光に照らされる労働者でなければならない。長期間の家族の分離を強いる仕組みであってはなるまい」

「職場移転の自由があっていいし、日本人の労働者と同様の労働条件にすべきだ。賃金や労働時間などで国籍や民族を理由とした差別を認めてはいけないはずだ」

 差別問題に関しては、政権に近いとみられがちな産経新聞の「主張」(社説)の「外国人労働者 拙速な拡大は禍根を残す」もこう指摘する。

「1号について家族の帯同を認めないというのは、人権侵害になる恐れはないのか」

 そして、差別によってこんなういう問題が生じると懸念する。

「1号の在留期間は最長55年である。若い労働力を循環させようという発想だが、外国人労働者を必要としている国は日本だけではない。そんなに都合よくいくとはかぎらない」

 もっといい条件の国に流れてしまうのではないかというわけだ。

■「社会不安」「治安問題」を心配する産経・読売

 一方、朝日、東京、毎日などが主に「外国人労働者への人道的な面」から反対している傾向が強いのに対し、産経新聞や読売新聞は、外国人労働者が増えることに対する「社会不安」をに対して問題視する傾向が強いようだ。

 先の産経新聞も、1号の人権問題を指摘しておきながら、2号の新たな人権問題をこう不安視している。

「2号ともなれば、事実上の永住や家族の帯同も認められる。これが移民とどう違うのか。定住者なら職業を自由に選べる現行制度との整合性をどうするつもりなのか。1993年に永住者は4万8000人だったが、2017年には74万9000人に達した。さらに増えてくれば、地方参政権を求める声も高まるだろう。これを認めれば、人口が激減する地域で永住者の方が多くなる危うさもはらむ」

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 読売新聞「外国人就労拡大 不安払拭へ政府は説明尽くせ」(11月3日付)は、国民の不安解消に丁寧な説明をせよ、と政府にハッパをかけた。

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 新設される「出入国在留管理庁」にしっかり外国人を管理してもらいたい、と強調している。

 この点、毎日新聞「就労外国人 入管法改正案 これで支援できるのか」(11月3日付)は、「出入国在留管理庁」に対して、読売新聞の期待とはまったく逆の心配をしている。

「(就労外国人の生活支援は)どこが担うのかにも疑問符がつく。『出入国在留管理庁』が担当するのか。出入国の管理に目を光らせてきた官庁が、外国人労働者の立場で支援に当たれるだろうか。制度上、無理がある。共生社会実現への政府の姿勢が疑われるのは、外国人の受け入れ態勢の整備を地方自治体に丸投げしてきた歴史もあるからだ」

 として、在留外国人の住宅や日本語教育などの生活支援を、これまで群馬県太田市など外国人が多くすむ市町が行なってきたことを明らかにしている。

(続きはソース)

2018/11/26 16:45
https://www.j-cast.com/kaisha/2018/11/26344520.html