・日系人の状況からはほど遠い「条件」
・「必ずしも日本でなくてもいいんです」

約200万人とも言われる世界最大の日系コミュニティーがあるブラジル。日本にルーツがある人々の活躍を見込み、日本政府は今年3月、新たに日系4世を受け入れる制度「4世ビザ」の受け付けを始めました。年4千人の来日を見込んでいましたが、ビザが認められたのは、10月中旬までの半年で2件。申請者もほとんどいません。当事者たちは日本をどう見ているのでしょうか? ブラジルの日系人たちを訪ねました。(朝日新聞サンパウロ支局・岡田玄)

■「ここでは日本語を勉強している4世は一人もいない」

 「日本語を勉強しませんか」
 
 サンパウロ州南部の小さな町、ペルイビに暮らす日系4世、戸川春美さん(26)は、現地でよく使われるSNS「WhatsApp」の地元日系4世グループに呼びかけました。

 グループのメンバーは100人以上いますが、反応はありませんでした。「ここでは日本語を勉強している4世は一人もいないんです。つまり、申請できる人はいないんです」と戸川さんは話します。

■日系人の状況からはほど遠い「条件」

 日本政府が新設した、「4世ビザ」は、最長5年間、日本に滞在でき、「特定活動」の資格で自由に働くことができます。

 「日本語や日本文化を学ぶ」ことが主な目的とされていますが、外務省幹部は「中小企業の人手不足への対応もあった」と語り、来日して働く日系人が増えることへの期待があったと明かします。

 ところが4世ビザには、日系人の状況からはほど遠い「条件」が課されました。

 その一つが「日本語能力」の証明です。

■ほぼ無条件で定住が認められていた「3世」

 日系3世までは、ほぼ無条件で定住が認められていました。日本語能力の証明もありませんでした。多くの2世や3世の人たちが日本に働きに来た90年代の日本も、現在と同じように人手が不足していました。

 そこで働き手として注目されたのが、ブラジルやペルーなど南米を中心に多くいる日系人の子孫たちでした。当時の南米は政治的に混乱し、経済的にも厳しい国も多く、外国に働きに出たいと考える人は少なくありませんでした。

 人手不足の日本と、働きに出たい日系人。両者のニーズが合致したわけです。

■日系人であれば、言葉や文化も……

 外国から人を受け入れるということは、異なる文化や風習を持つ人たちと一緒に暮らすということです。それが大変だということは、簡単に想像できます。

 でも、日系人であれば、日本の言葉や文化を理解しているはずだーー。日系人の受け入れを認めた日本政府の中には、そんな見方もあったといいます。

  しかし、現実は違いました。

 2世や3世でも、すでに日本語を話せない人たちが少なくありませんでした。70年前の第2次世界大戦で、移民した先の国々は日本と敵対。日系人が「敵国民」としてスパイの疑いがかけられたり、強制収容所にいれられたりした国もありました。

 日本語での会話や教育が禁じられた影響で、日本語を話す習慣をなくした子どもたちもいたのです。

■日本語を話さなくなった理由

 また、アジア系の人種への差別もありました。日本が戦争で負けると、アジア系差別と重なり、日本人であることを恥だと感じる人たちも少なくありませんでした。

 実際、日本が経済成長を遂げるまで、日本人であることを恥ずかしいと思っていたという日系の方の話を、ブラジルやペルーでしばしば耳にします。

以下見出しのみ 全文はソース先で

■生活習慣の違いがトラブルに
■不登校になる子どもたち
■人気がない「もう一つの理由」
■「家族と離れなければ受け入れないなんて」
■「相談はあるけれど、申請した人はいません」
■ビザの条件「監視されているみたい」
■「必ずしも日本でなくてもいいんです」
■「移民ではなく棄民」の歴史
■送り出す時も、受け入れる時も……
■自分が日系人だったら?

2018年11月26日 withnews
https://withnews.jp/article/f0181126004qq000000000000000W09y10101qq000018413A

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