ふわふわのペンギンのヒナ。寒い冬のこの時季に、続々と誕生しています。
その意外な理由を取材しました。

連日多くのお客さんが訪れる、名古屋市港区の「名古屋港水族館」です。
この日は何故か上を見上げるお客さんたちの姿が。一体何を見つめているのでしょうか。

「あちらはアデリーペンギンの巣ですが、ヒナが生まれています」(名古屋港水族館 飼育展示部 東山崎のぞみさん)

お客さんが見つめていたのは、モニターに映るペンギンのヒナです。
名古屋港水族館ではペンギンのヒナは、今この時季にしか見ることができないといいます。

ペンギンのヒナ特有のポテっとしたお腹に、フワフワした羽根。
その可愛さがたまりません。

名古屋港水族館ではアデリーペンギンなど、4種類のペンギンが飼育されていて、そのうちの3種類(アデリーペンギン、ジェンツーペンギン、ヒゲペンギン)が今まさに繁殖期を迎えているのです。
これは生まれたばかりのアデリーペンギンのヒナ。
その大きさは人間の手のひらにスッポリと収まってしまうほどです。

しかしなぜ、この冬の時季に繁殖期を迎えるのでしょうか。
その理由は水槽の中の光の条件にありました。

「いま南極の夏の時季に設定しているので、一日中水槽の中が明るい状態になっています。ペンギンは夏が繁殖の時季」(名古屋港水族館 飼育展示部 東山崎のぞみさん)

現在、地球の北半球は冬ですが、ペンギンの生息する南極は南半球にあり、季節は反対の「夏」を迎えています。
そこで名古屋港水族館でも、日照時間や光の強さを調節して、水槽の中に「夏」を作り出しているのです。

「(繁殖には)巣が必要ですね。巣は小石を積み上げて作るんですけど、南極の夏の時季は氷が解けて、地面が出てきて、石が見つかりやすくなる」(名古屋港水族館 飼育展示部 東山崎のぞみさん)

ペンギンは産卵や子育てのために石で巣を作りますが、それができるのは、氷が解け地面の石が現れる夏だけなのです。
生まれたペンギンのヒナは生後3週間、親ペンギンのおなかでしっかりと守られます。
そして、生後1か月には、しっかりと自分の足で立ち上がることができるのです。
  
「ヒナの成長は本当に早いので、今年いっぱいがかわいいヒナを見られる(チャンス)」(名古屋港水族館 飼育展示部 東山崎のぞみさん)

名古屋港水族館では年内に、さらにヒナの誕生が控えているといいます。
可愛いらしい姿を見ることが出来るチャンスは年内です。

※リンク先に動画があります
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20181127-00010011-sp_ctv-l23