日産自動車前会長のカルロス・ゴーン容疑者(64)の電撃逮捕で勃発した日産と仏ルノーの全面戦争が激しさを増している。焦点は、ルノーの筆頭株主である仏政府が推し進める両社の経営統合の行方だ。ルノーからの離反をもくろむ日産の動きにマクロン大統領は神経をとがらせ、経営統合の前倒しを画策している。

■持ち株会社方式で完全支配

 日産とルノーの経営統合案が急浮上したのは2015年。言い出しっぺは、投資銀行家から政界に転身し、経済産業デジタル相に就いたマクロンだ。仏政府が影響力を持つ形での経営統合を求めたが、ゴーンが応じず見送られた。

「ルノー・日産・三菱自動車の3社連合を支配するゴーン氏がルノーと日産の経営統合に消極的だった。ゴーン氏にとっては、3社がそれぞれ独立したまま、各社のトップを務めた方が3社連合を意のままに操れると踏んでいたようです」(自動車業界関係者)

 状況が変わったのが、今年2月。ゴーンのルノーCEOの任期切れが迫ったタイミングだった。大統領となったマクロンが、シビレを切らしてゴーンを揺さぶり、CEO続投の見返りに「ルノーと日産の関係を不可逆的なものにする」という条件をのませた。

 狙いは、日産の資金で仏国内に工場を新設し、雇用創出を図ることだ。 

「経済再生」を公約に掲げたマクロンは、史上最年少の39歳で仏大統領の座を射止めたが、雇用環境はちっとも改善されていない。9%台の高失業率が続き、9月の若年層失業率は20.4%と高止まり。労働法改正で解雇規制を緩和したのも世論の反発を招いた。不満が鬱積し、支持率は20%台に低迷中だ。

 来年1月に予定される燃料税引き上げ反対に端を発した「黄色いベスト」と呼ばれるデモは暴動と化し、各地に拡大。収束の気配は見えず、約1年ぶりに非常事態宣言の発令が検討されるなど、マクロン政権は発足以来の窮地に追い込まれている。

「任期が22年まで延長されたゴーン氏は自身が退任するタイミングでルノーと日産を経営統合させるプランを考えていた。両社を合併させるのではなく、3社連合を統括する持ち株会社を設立し、仏政府の息のかかった人物をトップに据える。ルノーや日産を事業会社として残し、持ち株会社にブラ下げるスキームです。利点は日産の利用価値がなくなり、ルノーのお荷物になった時点でいつでも切り離すことができること。ルノーの決算を汚すこともない。仏政府は日産の資金をトコトン使って国内投資を推し進めようとしているのです」(証券業界関係者)

 日産株を約43%保有するルノーは日産の利益を吸い上げ続けてきたが、さらに骨の髄までしゃぶり尽くし、使い道がなくなったらポイ捨てしようというのである。

 こんな身勝手なスキームを、日産がオイソレと受け入れられるわけがないだろう。資本関係の見直しに動くのも無理はない。

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