アメリカ政府は先月、イスラエルと激しく武力衝突したイスラム原理主義組織ハマスを強く非難する決議案を国連総会に提出しましたが、イスラエル寄りの姿勢を示すアメリカに十分な支持が集まらず、否決されました。

パレスチナ暫定自治区のガザ地区を実効支配するハマスは、イスラエルの特殊部隊による襲撃をきっかけに、先月、400発以上のロケット弾を発射し、イスラエル側も空爆で応戦するなど激しい武力衝突に発展しました。

これを受けてアメリカは「ロケット弾攻撃を繰り返し、暴力をあおっている」としてハマスを非難する決議案を国連総会に提出し、6日、採決が行われました。

採決に先立ってアメリカのヘイリー国連大使は「これまでイスラエルへの非難決議は何度も採択されてきたが、ハマスへの非難決議は1つもない」などと支持を求めたのに対し、サウジアラビアやイランは「イスラエルこそ国際法と人道に反する占領を続けている」と非難し、反対の立場を示しました。

採決の結果、賛成は日本を含む87か国で、採択に必要な3分の2には至らず、決議案は否決されました。

アメリカのトランプ政権は、エルサレムをイスラエルの首都と認めるなどイスラエルを一方的に支持する立場を鮮明にしていますが、こうした姿勢に国際社会から十分な支持が得られていないことが浮き彫りとなった形です。

NHK NEWS WEB
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