各地に飛び火しているファーウェイ問題。

副会長逮捕に対する中国の報復が取り沙汰される中、新たに身柄を拘束されたのは、北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)氏の友人だった。

満面の笑みを浮かべる、北朝鮮の最高指導者、金正恩委員長。

その視線の先には、1人の男性が。

金委員長と直接話すことが許された数少ない外国人とされるカナダ人、マイケル・スパバ氏。

このスパバ氏が今、中国で当局に拘束されていることがわかった。

その背後に見え隠れしているのが、中国通信機器大手「ファーウェイ」副会長の逮捕騒動。

アメリカ当局の要請により、カナダで逮捕され、11日に保釈された孟晩舟容疑者。

この保釈に先立ち、中国当局は、カナダの元外交官、マイケル・コブリグ氏の身柄を拘束。

孟容疑者逮捕への報復措置ではないか、との見方が強まっている。

そうした中、カナダのフリーランド外相は新たに。

フリーランド外相

「中国当局の聴取を受けたという(別の)カナダ人から、われわれに連絡があった」

新たに中国当局の聴取を受けたこの人物こそが、金委員長と交流のあるカナダ人スパバ氏。

聴取後、消息不明になっていて、カナダ政府は、2人目の拘束者となった可能性もあるとみて、所在の確認を急いでいた。

スパバ氏は、中国で北朝鮮との交流活動などを行うNGO(非政府組織)団体の代表を務める人物。

2013年、アメリカの元プロバスケットボール選手、デニス・ロッドマン氏の北朝鮮訪問に携わり、その際、金委員長らと3日間過ごしたという。

今回の一報を受け、FNNの記者がスパバ氏の携帯電話を鳴らしてみた。

「この電話は、電源が入っていません。しばらくしてから、またおかけください」

スパバ氏は4日前の9日、ツイッターに「ソウルに戻る」と翌日から韓国入りする旨を書き込んでいたが、更新は、この日を境に途絶えている。

中国の外務省は、会見で、スパバ氏を12月10日に拘束したと認めた。

保釈された孟容疑者の身柄引き渡しをめぐり、米中のはざまで板挟みとなっているカナダ。

このタイミングで、2人のカナダ人が中国当局の調べを受ける事態となった意味について、神田外語大学・興梠一郎教授は「やっぱり、カナダがカギを握っているのがわかっているので、どんどんプレッシャーをかけて、絶対に(孟容疑者を)アメリカには引き渡さないように持っていくと。(カナダ人の拘束は)1人じゃ足りないと思ったんで、2人となる。肝心のアメリカには、ほとんど抗議しない。アメリカを怒らせたら、それを上回る制裁をするかもしれない」と話した。

今回の事態を受け、難しい対応を迫られているカナダ。

アメリカのトランプ大統領が、中国との貿易協議のためなら事件介入も辞さないとの考えを示していることについては、フリーランド外相は「手続きは、法にのっとって行われ、政治の介入はあってはならない」とけん制した。

こうした中、アメリカのFBI(連邦捜査局)は、議会の公聴会で「ファーウェイなどの中国の通信機器の利用者データは、中国政府によって、どのようにでも利用されるおそれがある。極めて懸念すべき」と、ファーウェイなど中国の通信機器が、安全保障上の脅威となり得るという見方を示した。

影響が、さまざまな分野に及んでいるファーウェイ騒動。

収束のめどは立っていない。

2018年12月13日 木曜 午後5:48
https://www.fnn.jp/posts/00407653CX

他ソース
中国情報機関、2人目のカナダ人拘束−国家安全巡る捜査の対象
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2018-12-13/PJNWQZ6JTSGC01

デニス・ロッドマン氏とマイケル・スパバ氏(2014年1月)
https://assets.bwbx.io/images/users/iqjWHBFdfxIU/ikH7Fey.Rxvw/v1/800x-1.jpg