毎日新聞 2018年12月14日21時21分(最終更新 12月14日21時21分)

千葉県館山市の元職員の男性が自殺したのは過重労働と上司のパワハラが原因として、男性の遺族が市に慰謝料など計1億4722万円の損害賠償を求めて千葉地裁木更津支部に提訴した。
金丸謙一市長は14日、記者会見し、「事実関係を調査して争うべき点があれば争うが、誠実に対応したい」と述べた。

提訴は10月。訴えたのは2008年10月に自殺した元職員(当時32歳)の妻(43)と2人の子供。

訴状によると、男性は1999年に市職員となり、06年に市教委生涯学習課に配属された。07年11月から6カ月以上にわたり残業が月100時間を超す勤務状況が続き、08年6月にうつ病と診断された。

当時、市は行政改革の一環で職員を減らしており、それまで3人で行っていた職務を男性と上司の主査の2人で担当。
男性は主査が行うべき仕事を強要されたり、大声で怒鳴られたりするなどのパワハラを受け、残業時間の過少申告や報告書のデータ改ざんなどを強要されたという。
生涯学習課長らも男性が心身の健康を損なっていることを認識していたと主張している。

既に第1回口頭弁論は11月15日に開かれている。【中島章隆】

https://mainichi.jp/articles/20181214/k00/00m/040/202000c