ロシア極東で16日、やり直しの知事選挙の投票が行われています。
ロシアでは、このところ、プーチン政権への不満から地方選挙で与党候補が連敗していて、今回の選挙に向けて国営テレビがプーチン大統領に近い候補を後押しするなど、政権はなりふり構わぬ選挙戦を展開しました。

ロシア極東の行政区域、沿海地方の知事選挙は、ことし9月に実施されましたが、票の改ざんなど多くの違反が発覚し、ロシアでは初めての無効、やり直しとなりました。
やり直しの選挙には、プーチン大統領が知事代行に任命したコジェミャコ候補など4人が立候補し、日本時間の16日午前7時から投票が行われています。

ロシアでは、年金の受給年齢引き上げや地方経済の低迷などでプーチン政権への不満が高まっていて、このところ地方選挙で与党候補が連敗しています。
このため、政権は、今回の沿海地方知事選は絶対に落とせないとして、国営テレビが投票日の直前まで連日、コジェミャコ氏の動向を伝えたほか、政権としてこの地域を対象とした振興策や規制緩和策を相次いで発表するという、なりふり構わぬ選挙戦を展開しました。

沿海地方の中心都市ウラジオストクでコジェミャコ氏に投票したという有権者は「この地域の生活を改善してくれるでしょう」と話していました。
沿海地方を含めたロシア極東は日本の北方領土と結び付きが強く、地元の識者からは、16日の選挙でもコジェミャコ氏が負ければ、プーチン政権の求心力がさらに低下し、プーチン大統領が北方領土をめぐる日本との交渉で柔軟姿勢を示しにくくなるという指摘も出ています。

※リンク先に動画があります
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20181216/k10011749151000.html?utm_int=news-international_contents_list-items_005