大分市の私立岩田中で2016年5月、中学3年の男子生徒が体育の授業中に死亡した問題で、生徒の両親が20日にも同校運営の学校法人「岩田学園」と授業を担当した教諭に対し、計約4900万円の損害賠償などを求めて大分地裁に提訴することが分かった。

 死亡したのは柚野凜太郎さん(14)。16年5月13日、体育館で体力測定のシャトルラン中に意識を失って心肺停止状態となり、2日後に死亡した。

 訴状では、担当教諭が柚野さんの体調をシャトルランの実施前も実施中も確認しなかったことについて「注意義務違反がある」と主張。柚野さんが倒れた際、教諭が人工呼吸をせず、まず事務室に知らせに行ったことについて「ロスがなければ救命されていた」などと訴えた。柚野さんの父、真也さん(44)は「学園側から納得のいく説明がなく、提訴することになった」と話している。

 学園が設置した第三者委員会は昨年7月公表の報告書で、教諭の対応の一部について「安全配慮義務上、問題があった」と指摘したが、死亡との因果関係は「不明」としている。学園側は「教諭は精いっぱいの対応をした。法的なレベルで問題があったとは考えていない」としている。【田畠広景】

12/19(水) 12:15
毎日新聞
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