防衛省が28日に公開した韓国海軍の駆逐艦による火器管制レーダー照射の映像には、海上自衛隊P1哨戒機の乗組員たちの緊迫と冷静な対応が記録されていた。

 13分7秒の映像では冒頭、上空から韓国警備救難艦や北朝鮮籍とみられる漁船が映された後、韓国海軍「クァンゲト・デワン」級駆逐艦が現れた。

 P1は韓国駆逐艦の上空を旋回しながら、格納庫の存在や、レーダーが回転していることを確認。映像では、P1が上昇し、駆逐艦と救難艦の全景が画面に映し出された。映像の6分過ぎ、1度目のレーダー照射が確認された。

 「あー、出しています!FC(火器管制レーダー)系出している」

 乗組員の声が響き渡り、画面には赤字で「FC探知」の字幕が点滅し、一気に緊迫した雰囲気に包まれた。

 乗組員は「避けた方がいい」と述べ、P1はその場を一度離れた。レーダーを探知した際の音は映像では確認できなかったが、「めちゃくちゃすごい音だ」「この音を覚えておいてください」との乗組員の声が記録されている。

 P1は駆逐艦の砲が向けられていないことを確認したが、映像の9分ごろに再びレーダー照射を探知。照射後には「今コンタクトした旨、SAT(衛星通信)で一報しておく」「了解。現在離隔中もいっておいて」と機長と乗組員が司令部への報告を確認した。



 その後、乗組員は3種類の緊急周波数を使い「貴艦のFCアンテナがわれわれを指向したことを確認した。貴艦の行動の目的は何ですか」と計3回、英語で駆逐艦に呼びかけた。しかし、映像では最後まで駆逐艦からの応答は確認できなかった。

https://www.sankei.com/smp/politics/news/181228/plt1812280031-s1.html
https://www.youtube.com/watch?v=T9Sy0w3nWeY