「市の職員が週に3回くらいパチンコ店に来とる。公務員が日中にパチンコしてええんか。人が打ってる台を奪うので有名やから、来るのをやめさせて欲しい」

 10月下旬のこと、神戸市役所に同市中央区三宮のパチンコ店の客からこんな電話が複数回かかってきた。

 神戸市は26日、勤務時間中に繰り返し仕事を抜け出し、パチンコ店でスロットをしていたとして、交通局勤務の男性職員A(64)を停職3カ月の懲戒処分とした。

 Aは9月10日〜11月6日の31日所定勤務のうち、少なくとも21日間、勤務時間中に市庁舎から徒歩5分ほどのパチンコ店へ行っていた。時には午前11時15分から同45分まで仕事を抜け、昼はいったん市庁舎に戻り、デスクで昼食を済ませた後、また午後1時30分から3時まで出掛けるなど、1日2回の日もあり、計34回、33時間45分にわたってスロットに興じていた。

「Aは通報した客の仲間に自分は公務員だと明かしていて、その客はAが市役所の建物内に戻るところを見たことがあった。台を奪うというのは『そこ、のかんかい』とか言うのではなく、Aはよく、金をつぎ込んでも勝てなかった客が台から離れた瞬間、その台に座り、打っていたみたいです」(店の関係者)

 客からの通報を受けた市職員が、Aが市庁舎から外出するのを確認した上、Aがいると聞いていたパチンコ店をのぞくと、3階フロアで堂々とスロットをしているAを見つけた。職員がAを市庁舎の会議室に連れて行き、事情を聴こうとすると、Aは激しく動揺し、とても話ができる状態ではなかった。そこで後日、改めて勤務時間中にスロットをしていた理由を問いただした。するとAは「処理が困難な業務の依頼が電話であったが、自分が努力してもできる仕事ではない。そんな状況なのに『それでも何とかして欲しい』と言われる。でもできない。それで逃げ出したいという気持ちから、店に行った」と答えたという。

■「嫌な仕事から逃げ出したかった」と言い訳

 神戸市交通局は市営地下鉄と市バスを運営する地方公営企業。Aは市に採用されて以来、交通局一筋だった。定年を迎えた4年前に再任用され、現在は週4日勤務で月給は20万2000円。事業所などで業務をこなすのが主な仕事内容で、外出する時は必ず周囲に「現場に行ってきます」と告げて出掛けていたというから、9月10日以降はウソをついてパチンコ店に行っていたことになる。

「すべての職員が再任用されるわけではなく、過去の実績などを考慮して雇用しています。定年前は管理職ではありませんでしたが、高く評価されていたため再任用し、1年ごとの更新で4年目を迎えています。簡単な作業ではなく知識と経験が求められる業務ですが、これまで何のトラブルもなくこなしていました。それだけに、まさか仕事を抜け出してスロットとは……とみな驚いています」(市関係者)

 たとえどんな事情があったにせよ、勤務時間中にパチンコ店に行っていたら「税金泥棒」と言われても仕方あるまい。

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