名古屋市昭和区のアパートで4日、車上狙い事件があった。犯行を目撃した近隣住民らが昭和署に通報する一方、容疑者を室内へ招き入れて酒でもてなすふりをして署員の到着を待ち、連携プレーで逮捕につなげた。

 窃盗未遂の疑いで逮捕されたのは同市昭和区荒田町4、無職牧本正幸容疑者(67)。逮捕容疑では、同日午前11時50分ごろ、昭和区内のアパート敷地内に駐車中の乗用車を、金品を盗む目的で物色していたとされる。署によると、「生活費が欲しかった」と容疑を認めている。

 住民らによると、このアパートでは最近、空き巣被害が頻発。出入りする姿を見かけて容疑者の目星も付いていたため、「次に来たら警察に通報しよう」と話し合っていた。

 この日、車を物色する容疑者を発見したアパート関係者の女性が住人の男性に連絡。男性が「まあ、一杯飲んでいけ」と声をかけ、自室に上げてビールを振る舞っている間、女性が署に通報。他の住民も部屋に呼び、複数で容疑者の出方をうかがいながら、署員の到着を待ったという。

 住民の1人は取材に「何とか捕まえられてホッとしている」と話した。

http://www.chunichi.co.jp/s/article/2019010590085821.html